2013 Fiscal Year Annual Research Report
持続可能な環境循環型食糧資源としての海藻アカモクの有効活用;機能性食品の開発
Project/Area Number |
23700890
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Research Institution | Hiroshima Institute of Technology |
Principal Investigator |
村上 香 広島工業大学, 生命学部, 准教授 (90295866)
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Keywords | 海藻 / 褐藻類 / アカモク / 脂質代謝 / 血中コレステロール / ミネラル / 調理・加工 |
Research Abstract |
1.アカモク経口摂取による血中コレステロールへの影響 5週齢のWistar系雄性ラットを用いてコレステロール負荷食(0.5%コレステロール、0.25%コール酸ナトリウム添加)を摂取させ2週間飼育して、血中脂質等への影響を調べた。なお、アカモクは配偶子放出後の老いた株を塩ゆで後、凍結乾燥、粉砕し、飼料はアカモクまたはコンニャクマンナン(ポジティブコントロール)をセルロースと置き換えた。その結果、血しょう中の総コレステロールは標準飼料へのコレステロール・コール酸ナトリウムの添加により標準食群の5倍に上昇した。一方、アカモクおよびマンナンの添加により、それぞれ約90%、110%上昇を抑制していた。特に、アカモク食群ではHDL-コレステロールの上昇が確認されたことから、末梢組織から肝臓へのコレステロール輸送を促進する、脂質代謝に好ましい影響を与える可能性が示唆された。 2.アカモクの調理・加工による有用ミネラルおよびヒ素含量への影響 アカモク原藻可食部を5倍量の超純水で3回洗浄後、5倍量の2.2%NaClで1分間茹でて、5倍量の超純水で1回冷却して、凍結乾燥した。凍結乾燥アカモク試料を粉砕混合均質化したものを試料として、酸分解法で湿式灰化後、原子吸光分析器でヒ素および有用ミネラルを測定した。アカモクのヒ素含量(湿重量)は、塩ゆで加工によりに84-88%軽減した。特に、ゆで汁に多くのヒ素が流出していた(加工処理水の84-91%)。また、アカモク可食部のミネラル含量は、塩ゆで加工により、ナトリウム濃度が増加したのに対して、カリウム、カルシウム、マグネシウム、銅、マンガンは減少していた。特にカリウムの減少率は高く(65-78%)、カルシムの減少率は低かった(16-27%)。さらに、アカモク調理・加工品の有用ミネラル含量は他の食用海藻と比較して同等もしくはそれ以上であった。
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Research Products
(3 results)