2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23700989
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
瀬戸崎 典夫 首都大学東京, 大学教育センター, 助教 (70586635)
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Keywords | ヒューマン・インターフェイス / 拡張現実 / 教材開発 |
Research Abstract |
本研究では,まずAR技術を利用した教材を開発し,効果的な情報提示について検討した.AR教材の具体的事例として,天体学習用ARテキストを評価した結果,3DCGによる立体的な提示が学習者の興味や理解を高める上で有用であることが示された.次に,模型操作と連動した多視点型天体教材を活用した授業実践を行い,能動的操作による学習効果を検討した.その結果,授業中に教授していない応用的な内容において,能動的学習が有用であることが明らかになった. 以上の研究で得られた知見を基に,天体学習用AR教材を開発した.本教材は,模型操作と連動したARシステムによって,月が満ち欠けする様子を観察することができる.地球模型に小型無線カメラを内蔵し,地球模型からみた実空間の映像にCGモデルを重畳表示した.具体的には,CGの太陽モデルを重畳表示し,地球模型と月模型に対して照射される光の方向を示した.また,月模型に対して,太陽光が照射されない影の部分を重畳表示することによって,月模型が満ち欠けしてみえる機能を実装した.さらに,地球模型の自転による昼夜を表現すべく,月模型の背後に無色から黒となるグラデーションを設定したCGモデルを背景として配置した. 開発した多視点型AR教材の有用性および,重畳表示した情報提示の効果について評価した結果,本教材は学習者の興味を引きつけ,理解を促すことができる有用な教材であることが示唆された.また,本教材で背景と太陽のCGモデルを重畳表示したことが太陽の日周運動や太陽光を意識する上で効果的であることが示された.一方,地球の自転運動を操作する際に観測時刻を意識できるような情報提示の改善が必要であることが示された. 今後の課題は,教材の情報提示に関して改善するとともに,小学生や中学生を対象とした授業実践によって,教材の有用性および,学習者の理解のプロセスについて検証することである.
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Research Products
(8 results)