2013 Fiscal Year Annual Research Report
内臓感覚呈示による胎動呈示可能な妊娠体験システム”MommyTummy”の開発
Project/Area Number |
23701001
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Research Institution | Kanagawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
小坂 崇之 神奈川工科大学, 情報学部, 准教授 (10367451)
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Keywords | バーチャルリアリティ / ヒューマンインターフェース / 胎動提示 / シリアスゲーム |
Research Abstract |
最終年度は、妊婦体験ジャケットの評価を行った。我々は市町村で開催されている両親学級や父親学級に対して積極的に開発した妊婦体験ジャケットを用いての評価実験を持ちかけた。しかし既に従来の助産師会への両親学級の依頼が決定しており我々のシステムを用いての実験を行う余地はなかった。また、ある市町村では参加者全員の同意の上での実施であれば可能との回答を得たが、参加者全員の同意を得ることができなかった。そこで我々は、市町村の両親学級ではなく、民間で運営されているマタニティイベントなどに積極的に参加を行った。最終年度でのマタニティイベントでは13件の展示を行い、体験者数は718名(男性497名女性221名)であった。多くの体験者に対して開発を行った妊婦体験ジャケットの体験を行うことができた。しかし、展示を行ったマタニティイベントでは現在妊娠中の夫婦の夫がほとんどであり、みずから体験を申し出た出産経験者の体験者は年間を通じて5名のみであった。たとえ擬似妊婦体験だとしても「あの辛い思いは二度としたくない」というのが本音のようであった。そのため開発を行った妊婦体験システムが本来の妊娠経験に近いものなのかという評価を厳密に行うことはできなかった。しかしながら5名の出産経験者の多くは実際の胎動に似ているとのアンケート評価も得られた。 Virtual Realityの意味は「みかけや形は原物そのものではないが、本質的あるいは効果としては現実であり原物であること」と定義されている。われわれは妊産婦の身体的負担、そして命を宿す喜びを体験することにより、妊産婦の大変さを理解し優しく接することができる世の中を作ることを目的にしている。この効果を目的とするならば手段や提示する方式は必ずしもリアルである必要はないという知見を導きだすことができた。
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Research Products
(3 results)