2011 Fiscal Year Research-status Report
高感度還元気化MC-ICPMS法の開発に基づく魚類中の大気由来水銀の特定
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23710021
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Research Institution | National Institute for Environmental Studies |
Principal Investigator |
武内 章記 独立行政法人国立環境研究所, 環境計測研究センター, 研究員 (10469744)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 水銀同位体 / CV-MC-ICP/MS / 水銀汚染 |
Research Abstract |
本研究では水環境に生息する魚類の水銀同位体分析技術の開発を行ない、奇数の水銀同位体比に非質量依存同位体分別効果の有無をしらべ、魚類に蓄積している水銀が大気由来のものかどうかを特定することを目的としている。そのために、流入河川の無い摩周湖に生息しているマス、比較的自然な状態が維持されている本栖湖のマス、そして日本近海で採捕されるマグロとインド洋で採捕されるマグロを研究対象としている。平成23年度は摩周湖でヒメマスとニジマスの採集を実施するのと同時に、環境試料バンクに保存されているこれらの魚類に均質化を実施した。そして凍結乾燥後に粉末化させて、水銀含有量を定量した。また焼津港周辺で、日本近海で採捕されたマグロの部位の一部を購入および譲渡していただいたり、本栖湖でマスの採捕に努めた。さらに延縄漁業の実習船の協力によってインド洋で採捕されたマグロの筋肉片、内蔵塊、エラ片を入手した。水銀同位体分析技術の開発に関しては、国際標準生物試料のDORM-2とDOLT-3を用いて、マイクロ波加熱酸分解による前処理法の確立、還元気化多重検出器型誘導結合プラズマ質量分析装置による水銀同位体分析法の開発、そして精度管理を実施した。得られた国際標準試料の水銀同位体比は、これまでに報告されている参考値に近似している事を確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
国立環境研究所は、平成23年3月11日に発生した東北太平洋沖地震で震度6弱を記録し、多くの分析機器に多大な被害が生じた。しかしながら、迅速に復旧作業に取り組むことによって、多重検出器型誘導結合プラズマ質量分析装置の早期の復旧にこぎつけた。その中で、前処理法および分析法の確立を達成できたことで、今後の分析基盤ができあがり、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
継続して日本近海で採捕されたマグロと本栖湖のマス採集に務めるのと同時に、採集した魚試料の調製および均質化をすすめる。時々、国際標準試料を用いて前処理法および分析法の精度管理を実施しながら、実試料の前処理と分析をすすめる。しかしながら、マイクロ波加熱酸分解による前処理法は、2 mg/kg以上の比較的水銀濃度が高い試料に限定されるために、微量水銀を含む試料の分解方法と水銀濃縮方法を検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
試料採集と学会参加の旅費、実験補助者の雇用、そして高圧ガス、試薬、実験器具等の消耗品を購入する費用に使用する。
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