2013 Fiscal Year Annual Research Report
サイドスキャンソナーを用いた水生植物分布の自動分類に関する基礎的研究
Project/Area Number |
23710039
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山田 浩之 北海道大学, (連合)農学研究科(研究院), 講師 (10374620)
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Keywords | 影響評価手法 / 水生植物 / 画像解析 / サイドスキャンソナー / リモートセンシング / 生態系保全 / フェノロジー / マリモ |
Research Abstract |
サイドスキャンソナー搭載魚群探知機から得られる後方散乱強度画像を用いて,水生植物の分布モニタリングに展開するための植生分類法を開発することを目的とした。平成23年度には,位置と水深を同時記録する水中カメラシステムを製作した。また,既存のデータを用いて一般的なテクスチャ(模様やきめ)特徴量を用いた自動分類を実施した。平成24年度には,水中カメラシステムと魚群探知機を用いて,阿寒湖とパンケトー等にて分類に必要なデータを取得した。このデータセットを用いてテクスチャ特徴量を用いた分類を実施した。その結果,植生高の低い種が砂地に分類されるなど海域での報告で指摘されているようにテクスチャ特徴量を用いた分類には限界があることが確認された。そのため,空中写真から得られる色情報(RGB)を加えた分類法を検討した。空撮用ラジコンヘリコプターを製作し,複数回に亘って空中写真の取得を試みたが,天候や水の濁り等の問題で解析に適したデータは取得できなかった。平成25年度には,他の分類法を検討するため,阿寒湖で季節に応じたデータセットを取得した。これらのデータセットを用いてテクスチャ特徴量のほか決定木や重回帰分析を用いた方法を検討したが,最終的に時期間の後方散乱強度の差分値による水生植物のフェノロジーを考慮した分類法を採用した。この方法により様々な植物が混生している群落に対して,テクスチャ特徴量を用いた分類よりも高い分類精度が得られた。阿寒湖の球状マリモの分布に対して,その時期間の変化が小さいことからフェノロジーを考慮した分類法は適さなかったが,一時期における5m四方の後方散乱強度の平均値と標準偏差の関係からその分布域を検出することができた。このことから,分布様式が一定の植物に対しては,一時期の後方散乱強度の平均値と標準偏差を用いた分類が可能と考えられた。
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