2012 Fiscal Year Annual Research Report
汚染物質分解微生物の特定のための群集アイソトープアレイ法の開発と応用
Project/Area Number |
23710086
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
ディーター トゥールース 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 研究員 (00598485)
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Keywords | アイソトープアレイ / DNAアレイ / フェノール分解細菌 |
Research Abstract |
有害物質の分解に関与する微生物を深く理解することは、より効率的なバイオレメディエーションの戦略を開発するために必要である。近年、培養によらない、同位体標識基質とDNAやRNAの解析を組み合わせたさまざまな手法が開発され、複雑な微生物群集の中の代謝機能と微生物種を結びつけることが可能になっている。これらの手法は様々な環境や基質に応用され成功を収めているが、感度や特異性、また新規の種を検出するためにはさらなる手法の開発が求められている。本研究において、我々は新しいアイソトープアレイの形式であるcommunity isotope array(CIArray)を開発した。この方法は、コンピュータ上で設計されたリボゾームRNA標的のオリゴヌクレオチドプローブではなく、試料に特異的なfosmidクローン(~40 kbp)をプローブとしてアレイに用いる方法である。手法を確立したのち、我々はCIArray技術を、製鉄所の安水処理装置における脱窒槽内の活性汚泥の硝酸還元フェノール分解微生物の検出に応用し、新規な海洋性のGammaproteobacteriaが主にこの分解を担っていることを明らかにした。CIArrayの特異性をDNA安定同位体プローブ法(DNA-SIP)により検証し、CIArrayで検出されたすべてのプローブが同位体で標識された炭素の同化に関わっていることを確認することができた。さらに、CIArrayがDNA-SIPよりも感度が高いことが示すことができた。さらに我々は未培養のDeltaprogteobacterium Hasda-Aの1細胞ゲノミクス解析に挑戦し、1細胞ゲノムの解析が可能であることをあきらかにした。
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Research Products
(2 results)