2011 Fiscal Year Research-status Report
電気自動車の社会的普及に向けたEVステーションの整備・運用方策に関する数理的研究
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23710183
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
本間 裕大 早稲田大学, 高等研究所, 助教 (40514055)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 社会システム / 電気自動車 / 運用方策 |
Research Abstract |
初年度は,各EV ステーションの安定運用に関する分析として,項目(a)・(b) に関する分析を行った.まず,項目(a) では,個別のEV ステーションが持続的に運用し得るための経済的条件について考察した.EV ステーションは,もちろん社会的に共有されるインフラストラクチャーであるが,その維持費用はステーションの運営者が負担することが予想される.そこで本項目では,EV ステーションの費用便益分析を行うことによって,自立的運営に必要なEV 顧客台数,充電1 回当りの料金,ステーションの適正規模,さらには税金補助政策などを明らかにした.本分析は,以降の研究項目で必須となる,ステーションの設置コストや維持費用など,各種パラメータを適切に収集する意味合いも持っている.一方,項目(b) では,特にバッテリー交換式を想定した上で,EV ステーションの安全バッテリー在庫数に関するモデル分析を行った.バッテリー交換式のEVステーションは,"空バッテリーと満充電バッテリーの交換" を行うことによって,EV の支援を行うものであるので,安定的に運用されるためには「常に満充電バッテリーが在庫として準備」されていなければならない.実施者は,この安全在庫問題について,既に待ち行列理論を用いた基礎的モデルを構築している.そこで当該年度では基礎モデルを,複数種別のバッテリーや,同時交換可能台数などを考慮することによって一般化することを試みた.その上で,より現実的な想定の下でバッテリー交換式のEV ステーションを運用するための具体的な方策を明らかにした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度は,各EV ステーションの安定運用に関する分析として,(a) 個別のEV ステーションが持続的に運用し得るための経済的条件と,(b)バッテリー交換式を想定した上で,EV ステーションの安全バッテリー在庫数に関するモデル分析について考察することを目的としていた.その両項目について,研究計画で目指したものと,おおむね近い分析を書く事実に行うことができた.特に項目(a)では,EV ステーションの費用便益分析を行うことによって,自立的運営に必要なEV 顧客台数,充電1 回当りの料金,ステーションの適正規模,さらには税金補助政策などを明らかすることができ,また,項目(b)では,複数種別のバッテリーや,同時交換可能台数などを考慮することによるモデルの一般化に成功した.これらは次年度以降の研究を遂行するためにも,極めて有益なものと考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
次年度へ繰り越された研究費は,主に,平成24年度以降の研究遂行を見据えてのものである.実際の配分額が,応募次の研究計画書に記載した額を下回ったため,特に研究推進に重要となる2年目以降へ予算を繰り越す必要があった.具体的には,幾つかの学会出張を所属大学内予算を用いることによって,九利己した.今後は,ほぼ応募次の研究計画書に記載した額と同等の予算となるため,研究計画書に沿った推進を目指す.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
応募時の研究計画書に沿った推進を目指す.
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