2012 Fiscal Year Annual Research Report
漢方処方からの腫瘍選択的アポトーシス誘導化合物の探索とその作用機序の解析
Project/Area Number |
23710249
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
當銘 一文 千葉大学, 薬学研究科(研究院), 助教 (80563981)
|
Keywords | 天然物化学 / TRAIL / アポトーシス |
Research Abstract |
本研究は,漢方処方等の天然素材について,腫瘍選択的アポトーシス誘導作用を指標としたスクリーニングを行い,それらから腫瘍細胞に選択的なアポトーシスを誘導することのできる低分子化合物を見出すことを目的とする. スクリーニングの結果,顕著なデス受容体5の誘導作用を示すことが判明したDerris indica, Piper chabaから活性化合物としてフラボノイド誘導体5種,アルカロイド類4種を単離し,その構造決定を行った.そのうち数種の化合物についてはTRAIL耐性AGS細胞においてTRAIL耐性克服作用をもつことが判明した. TRAIL耐性AGS細胞においてTRAIL耐性克服作用を示したArtocarpus communis, Artocarpus champedenメタノール抽出物からは活性成分としてプレニルフラボノイド類18種を単離した.Saussurea hypoleucaからは活性成分としてオイデスマン,グアイアン型セスキテルペンを得た.このうち,強力な活性を示したheterophyllinについてそのTRAIL耐性克服作用発現機構について解析を進めた.その結果,本化合物は,デス受容体であるDR4,5の発現を誘導し,カスパーゼの活性化を誘導することで,AGS細胞においてアポトーシスを誘導することが示唆された.本研究で最も強力なTRAIL耐性克服作用を示したartonin Eは,がん細胞であるAGS細胞においてはTRAIL耐性克服作用を示したが,がん細胞由来ではないヒト胚性腎由来細胞293T細胞においては作用を示さなかったことから,本化合物はがん細胞に選択的に作用する可能性が示唆された.Artonin Eの活性発現機構の解明を目的に検討を進めた結果,カスパーゼの関与が示唆された.
|
Research Products
(12 results)