2012 Fiscal Year Annual Research Report
中華圏における日本式消費文化のグローカル化―上海社会史研究および上海との比較研究
Project/Area Number |
23710303
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Research Institution | Chiba University of Commerce |
Principal Investigator |
岩間 一弘 千葉商科大学, 商経学部, 教授 (10364902)
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Keywords | 上海 / 香港 / 消費文化 / 現地化 / 都市観光 / 外食 / 買物 |
Research Abstract |
①外食について 上海の日系大手外食チェーン・食品会社および日本料理店計(計13社)において、日本食文化の普及および日本食文化の現地化に関する貴重なヒアリングを実施させていただけた。録音は合計10時間近くにも及ぶ。よく注意しないと日本と同じに見えるメニューや料理が、実はほとんどの場合まったく違うものとなっており、現地化ないしは少なくとも現地の食習慣に適応させていることがわかった。この調査結果を文章におこして、整理・分析するのが喫緊の課題である。 ②都市観光と都市イメージについて 香港政府の観光局(観光協会)が毎年公刊している報告書のうち、日本人に向けたマーケティングの部分を中心に、1960年代から現在に到るまでの長期間にわたる記述を収集することができた。膨大な量の文献資料を収集できたが、それを精読・分析しつつ、日本の大衆観光誌紙における香港に関する記述と比較・検証するのが今後の課題である。上海についても、市政府旅遊局の発行する新聞のうち、日本観光に関する記事を一部収集できたが、まだ不十分であり、今後も継続していく必要がある。 ③買物について 20世紀前半(清末民国期)の上海におけるクリスマス消費に関しては、『申報』のデータベースを活用することによって、かなり網羅的に資料収集を行うことができた。その精読が今後必要である。また、上海にかわって中国の消費文化の中心となった戦後の香港に関しても、大衆新聞のクリスマス関連記事を一部集めることはできたが、まだ不十分である。 総じて、中国における日本食文化の現地化、日本人の香港・上海観光と両都市へのイメージ、中国におけるクリスマス消費の普及という3つの斬新な研究テーマを明らかにし、それぞれに関して有用な資料を収集できたと考えている。
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Research Products
(4 results)