2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23710317
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
佐藤 文香 一橋大学, 社会学研究科, 准教授 (10367667)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | 社会学 / ジェンダー / フェミニズム / 軍隊 / 暴力 / 自衛隊 / アメリカ / 国際研究者交流 |
Outline of Annual Research Achievements |
2014年度は2013年度に引き続き、アメリカで収集してきた米軍の教育・訓練のジェンダー統合および性暴力対策についての資料を読みこみながら、関連する文献の講読を続けた。 文献研究の成果として、Mary Louise Roberts, What Soldiers Do: Sex and the American GI in World War II France (University of Chicago Press, 2013)の書評を『国際ジェンダー学会誌』に掲載した。また、軍隊の性暴力対策を歴史的に考えるため、11月21日に一橋大学ジェンダー社会科学研究センター(CGraSS)の公開レクチャー「日本占領と性 ―性暴力、売買春から親密な関係まで」を主催し、このレクチャーで講師を務めた茶園敏美氏の著書『パンパンとは誰なのか ―キャッチという占領期の性暴力とGIとの親密性』 (インパクト出版会, 2014)の書評を『図書新聞』に掲載した。 さらに、「軍事化とジェンダー」についての解説論文を『ジェンダー史学』に掲載し、自衛隊の女性包摂のプロセスを「カモフラージュ」という分析枠組みのもとで論じた研究成果を韓国語に翻訳し、ソウル大学日本研究所の学術誌『日本批評』に発表することができた。 本研究は、教育・訓練のジェンダー統合および性暴力対策に注目し、日米の軍事組織のジェンダー政策の比較分析を行ってきた。これらの政策推進にあたり軍隊内外の女性の連携にも着目してきたが、アメリカにおいては退役した元女性軍人が政策推進のアクターとして軍隊の内外の女性たちをつなぐ重要な役割を占めていることを明らかにすることができた。
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Remarks |
2014年11月21日開催
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