2011 Fiscal Year Research-status Report
超越論的語用論における「道徳的規範」の究極的根拠付けに関する研究
Project/Area Number |
23720014
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
久高 將晃 琉球大学, 法文学部, 准教授 (80398304)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | 国際研究者交流(ドイツ) |
Research Abstract |
本「研究の目的」は、超越論的語用論の「道徳的規範」の究極的根拠付けの妥当性を検討することで、その哲学的射程を明らかにすることである。 この目的のために、今年度(23年度)では、「研究実施計画」に従い、第一に、超越論的語用論の究極的根拠付けに関するこれまでの研究を読解し、分析し、考察した。具体的には、とりわけW.クールマンの1978年の論文"Zur logischen Struktur tran-szendentalpragmatischer Normenbegruendung"(超越論的語用論による規範の根拠付けの論理構造について)において明示的にされ、その後洗練されていった、超越論的語用論の「規範」の究極的根拠付けの論証を読解し、分析した。さらに、討議倫理学の究極的根拠付けに対するG.シェーンリッヒの批判を分析し、考察した。そして、この成果を、「研究ノート 討議倫理学の限界?-G.シェーンリッヒの討議倫理学批判について・続-」(『人間科学』(琉球大学法文学部人間科学科紀要)、第26号、17-32頁)として、公表した。この論文において、とりわけ、超越論的語用論の究極的根拠付けの論証を「絶対的な究極的根拠付け」と「相対的な究極的根拠付け」とに区別することで、究極的根拠付けに対する批判、「個別性の論証」と「移送の論証」に答えようと試みた。 第二に、批判的社会理論研究会に2回参加し、国内の研究者と超越論的語用論の究極的根拠付けに関して意見交換を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「研究実績の概要」で記したように、今年度(23年度)は「研究の目的」を達成するために「研究実施計画」に従い、第一に、超越論的語用論の究極的根拠付けの論証を分析し、考察した。第二に、批判的社会理論研究会に参加し、国内の研究者との意見交換を行った。しかし、「研究実施計画」の一つである「ドイツの研究者との意見交換」だけは行うことができなかった。以上の研究の進捗状況から、完全に「研究実施計画」通りに、研究が進展しているわけではないが、おおむね順調に進展していると、自己評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策として、第一に、とりわけ、今年度(23年度)には実施できなかった「ドイツの研究者との意見交換」を行いたい。具体的には、今日の超越論的語用論の主導者である、W.クールマン博士と意見交換を行う予定である。そして、可能ならば、M.ケトナー博士やM.ニケ博士という代表的な研究者とも意見交換を行いたい。このような研究者と意見交換を行うことで、超越論的語用論の最先端の研究状況が把握できるであろう。 第二に、「研究実施計画」に従って、超越論的語用論の規範の究極的根拠付けの論証の展開を明らかにし、この論証に対する批判(「自然主義的誤謬」と「知性主義的誤謬」)を論じ、これらの批判を批判的に検討したい。具体的には、24年度では、超越論的語用論の究極的根拠付けの論証をまとめ、それに対する二つの批判の概要を論じ、25年度では、「自然主義的誤謬」を、26年度では、「知性主義的誤謬」を批判的に検討することを予定している。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度(24年度)では、第一に、とりわけ、今年度(23年度)には実施できなかった「ドイツの研究者との意見交換」を行うために、旅費として研究費を使用する計画である。 第二に、今年度と同様に、国内の研究者との交流・意見交換のために、旅費として研究費を使用し、必要があれば、研究文献の購入のため、物品費として研究費を使用する計画である。
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Research Products
(1 results)