2012 Fiscal Year Research-status Report
超越論的語用論における「道徳的規範」の究極的根拠付けに関する研究
Project/Area Number |
23720014
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
久高 將晃 琉球大学, 法文学部, 准教授 (80398304)
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Keywords | 国際研究者交流(ドイツ) |
Research Abstract |
本「研究の目的」は、超越論的語用論の「道徳的規範」の究極的根拠付けの妥当性を検討することで、その哲学的射程を明らかにすることである。 この目的のために、今年度(平成24年度)では、「研究実施計画」に従い、第一に、前年度に引き続き、超越論的語用論の「道徳的規範」の究極的根拠付けの論証を包括的に読解し、分析した。具体的には、超越論的語用論の究極的根拠付けの論証の集大成とも言える、W.クールマンの著作、Reflexive Letztbegruendung(『反省的な究極的根拠付け』、1985年)を中心として、研究読解を行った。更に、この究極的根拠付けに対する(自然主義的誤謬と知性主義的誤謬という批判以外の)批判と、批判に対する超越論的語用論の応答をできるだけ包括的に読解した。そして、これらの成果を、「研究ノート:超越論的語用論における道徳的規範の究極的根拠付け」(『人間科学』(琉球大学法文学部人間科学科紀要)、第29号)として、公表した。 第二に、批判的社会理論研究会に参加し、また琉球大学にて「超越論的語用論研究会」を開催し、研究発表を行い、国内の研究者と本研究テーマ(超越論的語用論における「道徳的規範」の究極的根拠付け)に関して意見交換を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「研究実績の概要」で記したように、今年度(平成24年度)は「研究の目的」を達成するために、「研究実施計画」に従い、第一に、超越論的語用論の究極的根拠付けの論証と、この論証に対する批判及びこの批判への超越論的語用論の応答とを包括的に読解し、研究成果を紀要に公表した。第二に、批判的社会理論研究会に参加し、更に「超越論的語用論研究会」を開催し、研究発表を行い、国内の研究者との意見交換を行った。しかし、「研究実施計画」の一つである「ドイツの研究者との意見交換」を行うことができなかった。以上の研究の進捗状況から、完全に「研究実施計画」通りに、研究が進展しているわけではないが、概ね順調に進展していると、自己評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策として、第一に、今年度(平成24年度)に実施できなかった「ドイツの研究者との意見交換」を行いたい。具体的には、琉球大学にて「超越論的語用論研究会」を開催し、この研究会にドイツの研究者(予定としては、W.クールマン博士あるいはM.H.ヴェルナー博士を考えている)を招聘し、意見交換を行いたい。 第二に、「研究実施計画」に従って、超越論的語用論の規範の究極的根拠付けの論証に対する批判、すなわち「自然主義的誤謬」と「知性主義的誤謬」を批判的に考察したい。具体的には、平成25年度では、「自然主義的誤謬」を、平成26年度では、「知性主義的誤謬」を批判的に検討し、この研究成果を公表することを予定している。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度(平成25年度)では、第一にそして主に、今年度(平成24年度)に実施できなかった「ドイツの研究者との意見交換」を行うために、ドイツの研究者を招聘し、研究会を開催する予定であるが、そのために旅費として研究費を使用する計画である。 第二に、今年度と同様に、国内の研究者との交流・意見交換のために、旅費として研究費を使用する計画である。 第三に、必要に応じて、研究文献やパソコン等の購入のために、物品費として研究費を使用する計画である。
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Research Products
(1 results)