2012 Fiscal Year Annual Research Report
1930年ー70年代までのブラジル、アリアンサ地区における日系移民の活躍
Project/Area Number |
23720150
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
牧野 理英 日本大学, 商学部, 准教授 (10459852)
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Keywords | 日系移民 / トランスナショナル / ブラジル / 日本 / アメリカ / 帝国主義 / サン・パウロ |
Research Abstract |
本研究では、1930年代から70年代にかけてブラジル、サンパウロ州アリアンサ移住区において日系移民農場を創設した日系一世弓場勇およびその理念を信望した一派に関する資料をブラジル、アメリカ合衆国にて収集した。この研究によって、日本、アメリカ、ブラジルにおいてこの移民一世の活躍の捉えられ方に相異があることがわかり(特にブラジルと第一次大戦後の帝国主義的日本と、第二次大戦後の敗戦国日本との関係性の差異に着目したことにより)日系移民研究に新たな視座を与えることとなった。 本研究の成果に関しては、2012年1月にはハワイ人文国際学会(ホノルル)で”Isamu Yuba and His Floating Subject”と題してこの歴史的人物に関する発表をした。また論文では、2012年3月に、日系アメリカ作家カレン・テイ・ヤマシタの小説『熱帯雨林の彼方へ』におけるブラジルの日系性と贈与論との関係を論じた「日本のサンタクロース:カレン・テイ・ヤマシタの『熱帯雨林の彼方へ』における非同化的日系主体とその贈与精神」を日本アメリカ学会の全国紙『アメリカ研究』46号に掲載することができた。 当該研究の最終年にあたる2013年には、4月にシアトルで行った米アジア系アメリカ学会において、弓場勇がどのように日系アメリカ作家カレン・テイ・ヤマシタによって小説化されたかに関しての発表“Between Japan and the U.S.: Transnational Neutrality and Adaptation of the Historical Figure of Isamu Yuba in Karen Tei Yamashita's Brazil-Maru"のプロポーザルが同年1月に通り、発表することが可能となった。
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Research Products
(2 results)