2013 Fiscal Year Research-status Report
日本近代文学の欧米語翻訳黎明期の総合的研究~明治・大正時代を中心に~
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23720187
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
河野 至恩 上智大学, 国際教養学部, 准教授 (60439338)
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Keywords | 比較文学 / 日本文学 / 翻訳論 / 海外の日本文学受容 / 文化交渉史 / 国際研究者交流 / アメリカ合衆国:イギリス:ドイツ |
Research Abstract |
明治・大正・昭和戦前期の日本近代文学の翻訳書、および書評の書誌調査として、イギリス(大英図書館)、ドイツ(ライプツィヒ・ドイツ国立図書館)、アメリカ合衆国(ハワイ大学マノア校図書館)などで、翻訳書の書物の調査、書評の調査などを行った。特にハワイ大学マノア校図書館では平成23年度に続き2度目の調査を行い、シンクレア文書などの調査を通してハワイ大学における昭和戦前期の日本学、日本文学の翻訳についてさらに調査を進めた。書誌的研究と共に、大正期から昭和戦前期にかけての人的ネットワークとの関連から日本文学の翻訳についての研究を進めることができた。 研究成果の発表として、日本比較文学会第51回東京大会(平成25年10月、日本語)とハワイ大学マノア校(同12月、英語)でハワイ大学の日本学ネットワークと日本文学の翻訳について口頭発表を行った。ハワイ大学での研究発表では、ハワイ大学図書館の司書の方などから有益なフィードバックを得ることができた。また、上智大学にて、同大学比較文化研究所と共催でワークショップ(平成26年3月)を開催。北星堂の英語出版についての研究発表(英語)を行い、他に参加した研究者と意見交換、今後の出版の打ち合わせを行った。 また、論文 "Mori Ogai and the 'Literature of the World' "を執筆した。平成26年5月、ドイツ・Harrassowitz Verlag から森鴎外生誕150周年記念論文集の一章として刊行予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
調査・研究成果の発表についてはおおむね予定通り進めることができたが、後に述べるとおり、今年度に予定していたワークショップは規模を縮小して開催した。また、海外の調査も、準備が整わなかったため来年度に延期とした。
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Strategy for Future Research Activity |
研究成果の発表を、論文執筆や口頭発表の形で進めていきたい。特に、論文や著作の執筆を進めていく予定である。 また、20世紀前半の日本文学の翻訳の諸相、日本に関するテクストの流通と人的ネットワーク、日本学の制度などの関係について、今後上智大学比較文化研究所に拠点を置いて共同研究を進める予定である。将来的には、この共同研究を通して論文集(英語または日本語)の出版を目指している。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度に開催を企画していたワークショップは、参加予定の研究者の日程の都合がつかず、規模を縮小して開催し、平成26年度に再度ワークショップまたはシンポジウムの開催を目指すこととした。また、春に予定していた海外での調査についても、調査のための準備が十分に整わなかったため、平成26年度に延期することとした。 研究成果の発表として、論文執筆、口頭発表を更に進めていく予定である。平成26年度に、近代日本文学の翻訳、「日本」関係テクストの流通について、シンポジウムまたはワークショップを再度開催することを企画している。平成25年度のワークショップに都合により参加出来なかった研究者にも参加を依頼する予定である。 また、日本文学翻訳の書誌調査として、ヨーロッパまたは米国での調査を予定している。日本近代文学翻訳の書誌についても、仕上げの作業を進める。
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Research Products
(4 results)