2011 Fiscal Year Research-status Report
イントネーションの音韻論と音声学を峻別する実験手法の確立
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23720207
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
五十嵐 陽介 広島大学, 文学研究科, 准教授 (00549008)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 韻律 / アクセント / イントネーション / 実験音韻論 / 音声学 |
Research Abstract |
日本語諸方言のイントネーション体系を世界の言語のイントネーション体系と比較し、両者を融合した類型論を構築する試みを行った。言語系国際雑誌に公刊される予定である。小磯花絵氏とともに、日本語の句末境界音調のふるまい、特にそのピッチレンジ制御に関する分析を『日本語話し言葉コーパス』を用いて行った。句末境界音調は、発話の他の部分とは異なるピッチレンジ制御が行われていることが明らかになった。また、句末境界音調のタイプによってもピッチレンジ制御が異なることが明らかになった。分析結果は国内の研究会で発表した。さらに分析を進めた結果を2012年の夏に開かれる音声系国際学会に投稿した。琉球語宮古池間方言のアクセントの文レベルの実現に関する研究を共同研究者とともに行った。この池間方言は語レベルで指定された音調が語よりも大きな単位を領域として現れる類型論的に珍しい特徴を有することを明らかにした。イントネーションの音声学と音韻論の理解のために重要な発見である。研究成果は香港で行われた音声系国際学会で発表するとともに国内雑誌に投稿した。近日公刊される予定である。 琉球語宮古池間方言のフレージングに関するデータ収集を宮古島で行った。現在データを分析している段階である。 東京方言にはどのような句末境界音調がいくつあるかを明らかにすることを目的とした初期調査を東京で行った。現在データを分析している段階である。 東京方言と近畿方言のフレージングがどのようなものであるかを明らかにすることを目的とした初期調査を東京と大阪で行った。現在データを分析している段階である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
関連する研究成果(イントネーションの類型論、琉球語池間方言の韻律)を国際雑誌・国内雑誌に投稿し採択された。 日本語の句末境界音調を音声コーパスを用いて分析することができた。また分析結果を国内のワークショップで発表し、国際学会に応募することができた。 イントネーションの音声学と音韻論を調査するための新しいデータを収集することができた。分析はまだ終わっていない。 分析の終わっていないデータはあるものの、イントネーションの音声学と音韻論を峻別する手法を開発するための基礎固めができた。研究はおおむね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
日本語東京方言(標準変種)の句末境界音調(BPM)を対象にした実験を引き続き行う。さまざまな手法の有効性を検証する。同時に既存の手法の改良や新手法の考案に努める。 韻律句形成、特にMajor Phraseの実体に関する実験を東京方言と大阪方言などを対象に引き続き行う。 実験結果は国際学会(米国で開かれるInterspeech等)や国内学会で発表する。 日本語(標準変種)のイントネーションの概説論文を執筆する。日本語方言のイントネーションの概説論文を執筆する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度に使用する予定の研究費が生じた理由は、第1に海外出張先が香港であり近場であったため(旅費について)、第2に謝金を払うべき被験者の数が少なかったため(謝金について)である。本年度は米国で開かれる国際学会に参加する予定であること、比較的規模の大きい実験を行う予定であることから、当該研究費は旅費・および謝金に用いる予定である。 図書の購入費、録音機材・録音媒体の購入費などの物品費として18万円を使用する予定。国内外の学会へ参加するため、調査を行うため、音声学者との議論を行うための旅費として55万円を使用する予定。 実験協力者への謝金として5万円を使用する予定。 印刷費などその他の費用として2万円を使用する予定。
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Research Products
(6 results)
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[Presentation] How many tonal contrasts in Ikema Ryukyuan?2011
Author(s)
Igarashi, Yosuke, Yukinori Takubo, Yuka Hayashi, and Tomoyuki Kubo
Organizer
The 17th International Congress of Phonetic Sciences (ICPhS XVII 2011)
Place of Presentation
Hong Kong Convention and Exhibition Center (Hong Kong, China)
Year and Date
2011年8月21日
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