2013 Fiscal Year Annual Research Report
用法基盤モデルに基づく前置詞の文法・談話機能の研究:文法化と意味拡張の認知的基盤
Project/Area Number |
23720244
|
Research Institution | Kyoto Prefectural University |
Principal Investigator |
大谷 直輝 京都府立大学, 文学部, 講師 (50549996)
|
Keywords | 認知言語学 / 前置詞 / 文法機能 / 談話 / 身体性 / コーパス |
Research Abstract |
本研究では、英語の前置詞が持つ文法機能と談話機能を体系的に考察し、前置詞の意味拡張や文法カテゴリーを動機付ける認知的な基盤を考察する。また、言語を実証的に分析するためのコーパスを用いた方法論を精緻化することを目的とする。 研究計画の最終年度である2013年度は、主に以下の三点の研究を行った。第一に、前置詞underが持つ談話機能をコーパスを用いて実証的に分析して、overとunder間に見られる非対称的な意味拡張を明らかにし、『English Linguistics』(日本英語学会)に論文を掲載した。第二に、前置詞が持つ文法機能や談話機能が、空間的な意味から抽象的な意味を介してどのように派生するかを論じ、『認知言語学会論文集』に論文を2本掲載した。第三に、コーパスを用いた意味の分析モデルを用いて類義的な動詞不変化詞構文の意味的・文法的振舞いの違いを論じ、『英語コーパス学会』で発表を行った。また、研究計画全体の研究成果をまとめて単著『A Cognitive Analysis of the Grammaticalized Functions of English Prepositions: From Spatial Senses to Grammatical and Discourse Functions』(179頁,開拓社)を刊行した。 研究が行われた2011-2013年度にかけて、12本の著書・論文を執筆した(2本の未刊行論文を含む)。また、国内外の学会においては、7本の発表が確定した(2本は2014年度に発表予定)。これらの研究では、認知言語学の理論的な研究だけでなく、コーパスを用いた言語研究の方法論に関わるものも含まれ、理論である認知言語学と方法論であるコーパス言語学の学際的な観点から多くの研究がなされた。
|
Research Products
(9 results)