2011 Fiscal Year Research-status Report
高専生の聴解能力に基づいた写真描写問題における問題内要因と問題間要因の解明
Project/Area Number |
23720306
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Research Institution | Akashi National College of Technology |
Principal Investigator |
井上 英俊 明石工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (00332023)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | リスニング / 写真描写問題 / 高等専門学校 / 語彙 |
Research Abstract |
本研究の目的は、最新のリスニング形式である写真描写問題に関する特性を解明し、知見を教材開発に援用することである。研究代表者が所属する高等専門学校在籍学生(高専生)に対して調査を実施し、聴解能力に基づいた問題内要因と問題間要因に起因する特性を明らかにすることを目指す。研究初年度である平成23年度は、問題内要因として語彙に基づく調査を実施した。写真描写問題10問を1セットとして、4セットを調査課題として高専生に実施した。そして正答者率や問題に使用されている語彙の総語数や語彙レベルなどを算出した。調査対象者のリスニング能力を、TOEICリスニングスコアに基づいてリスニングレベルCとリスニングレベルDとに分割して、調査結果を考察した。まず、1つの選択肢につき1単語程度であるとはいえ、低い正答者率の問題項目は総語数がより多いことが明らかとなった。リスニング問題に対しては、この1単語の語数差でも重要な要因となることが示唆された。次に、リスニングレベルCの調査対象者は正答するがリスニングレベルDの調査対象者は誤答する問題項目について、錯乱肢の特徴を分析すると、1つの錯乱肢が選ばれる傾向があり、これらの高選択錯乱肢は総語数が1単語程度多いことが明らかとなった。しかしながら、使用されている語彙のレベルを分析すると、高選択錯乱肢は一番容易なレベルの語彙をより多く含んでいることが明らかとなった。ゆえに、このリスニングレベルの学習者は、比較的聞き取りやすい語が多く含まれている語数の多い文を正答として選択する方略を用いている、もしくは、語数が多いためにかろうじて聞き取ることができた語を含む文を正答として選択する方略を用いている、と捉えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
調査に使用する写真描写問題の準備にめどが立った。調査を依頼する勤務校の教員はもとより、他の高等専門学校の教員との協議も順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
まずは、より多くの調査対象者により多くの調査課題を実施することである。次に、より高度な分析に関して、大学の教員からご教示をいただく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
調査資材の準備、調査資材の発送に予算を費やす。そして、より高度な分析を実施するため、ワークステーションと統計検定用ソフトウェアを購入する。
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Research Products
(2 results)