2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23720416
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
齋藤 貴之 北海道大学, 文学研究科, 専門研究員 (20455611)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | 鍛冶屋 / 北海道 / 変化 / 生存 / 民俗文化 / 伝統社会 |
Research Abstract |
今年度は、まず、道南地域(渡島・胆振・後志の各総合振興局および檜山振興局内)の各市町村の教育委員会、商工会、博物館、資料館などの協力を得て、現在も鍛冶屋を営む人びと、及びその経験を有する人びとに関する情報を収集するとともに、各市町村の博物館、郷土資料館等で保管されている鍛冶屋関係資料に関する情報の収集も行った。さらに、得られた情報をもとに現地調査を実施し、各鍛冶屋の現在に至る経緯や現状などに関する情報を収集し、また、各市町村の博物館、資料館等において綿密な資料調査を実施することで鍛冶屋関係資料に関する詳細な情報を丹念に渉猟し、本研究のベースとなる基礎情報を可能な限り収集することを目指した。 旧渡島・檜山支庁管内の2市16町における調査で確認された鍛冶屋はわずか4軒に過ぎず、そのうち現在でも営業を続けている鍛冶屋は1軒で、この1軒もまた親方が病気で休業中であった。しかし、かつて鍛冶屋に従事していた方々から明治以降の北海道の鍛冶屋に関する貴重な情報を収集することができ、また、今日に至る経緯や変化などについても聞き取ることができた。特に、知内町の鍛冶屋は現在林業等で利用されている重機を扱っており、林業に使用される道具を扱いつつも、社会的変化の中でどのように自らを変化させ、それらに対応してきたかを明らかにする上で、重要な事例となり得ると考えている。鍛冶屋および鍛冶屋製品等の資料に関する調査については、函館市博物館、北大水産科学館、北斗市郷土資料館、今金町ピリカ旧石器文化館において資料調査を行い、特に北斗市郷土資料館では、函館市の鍛冶屋に関する資料情報を数多く収集することができた。 また、旧後志支庁管内の1市13町6村における調査については継続実施中である。 なお、これらの成果については、現在制作中のホームページにおいて公開・発信し、さらなる情報の収集に役立てる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度の調査研究により、道南地域(渡島・檜山総合振興局)における資料・情報の収集、ならび現地調査が完了したものの、現時点で完了している地域は、道北地域及び道南地域のみであり、また、予想以上に鍛冶屋の衰退が進んでおり、比較、分析するのに必要な資料・情報が質的にも、量的にも未だ十分ではなく、各地域の鍛冶屋の歴史的、技術的特性の解明や今後の鍛冶屋の生存戦略の考察、提示といった成果を得られる段階にはない。しかしながら、その調査範囲は着実に拡大しており、また調査研究の進展に伴う資料・情報等の収集についても徐々にその成果が得られていることから、本研究の目的の達成に向け、おおむね順調に進展しているものと考えている。 同時に実施している各市町村の博物館、郷土資料館等で保管されている鍛冶屋関係資料に関する情報の収集については、予想以上に関係資料が膨大であるため、当初の予定からは大きく遅れてしまっており、道南地域の一部市町村でのみの成果にとどまっている。このため、鍛冶屋関係資料に関する情報の収集に関しては、当初の予定を変更し、特定の地域に集中させるなどの対応が必要かもしれない。 また、本研究で得られた情報と成果を発信するために整備している本研究のホームページについても、当初平成24年4月の公開を目指していたがWeb環境の整備と情報の集約に時間をとられたため、やや遅れている状況にある。7月頃の公開を目指し、「北海道の鍛冶屋MAP」や「北海道鍛冶屋関連資料データベース」のベース作りを進めている。このホームページが公開されることで、随時、その進捗状況や成果の報告、公開にも努めるほか、より広く情報の提供を求めることができ、本調査研究のさらなる進展が期待できると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度は道東地域(十勝・釧路総合振興局、日高・根室総合振興局)、平成25年度は道北地域(空知・上川・オホーツク総合振興局)の各市町村の教育委員会、商工会、博物館、資料館などの協力を得て、現在も鍛冶屋を営む人びと、及びその経験を有する人びとに関する情報を収集する。同時に、各市町村の博物館、郷土資料館等で保管されている鍛冶屋関係資料に関する情報の収集も行う。 得られた情報をもとに現地調査を実施し、各鍛冶屋の現在に至る経緯や現状などに関する情報を収集し、また、各市町村の博物館、資料館等において綿密な資料調査を実施することで鍛冶屋関係資料に関する詳細な情報を丹念に渉猟し、本研究のベースとなる基礎情報を可能な限り収集する。また、得られた情報は、「北海道の鍛冶屋MAP」や「北海道鍛冶屋関連資料データベース」として整理、編集し、随時本研究の専用HP上に掲載し、情報と成果の発信にも努める。 さらに、各地域の鍛冶屋に生じた変化と生き残るための対応を比較、分析することで、道東地域および道北地域の鍛冶屋の歴史的、技術的特性の解明を図る。また、現在も順調に営業を続ける鍛冶屋を選定し、それらが実践している戦略をもとに、今後の鍛冶屋の生存戦略を考察、提示する。 また、上記調査と並行して、道央地域(石狩振興局および空知総合振興局南部)の各市町村の鍛冶屋および道東地域の博物館や郷土資料館で保管されている鍛冶屋関係資料に関する情報の収集にも努め、現地調査を実施し、本研究のベースとなる基礎情報を可能な限り収集する。特に、鍛冶屋関係資料については、北海道の民俗文化の研究拠点の1つである北海道開拓記念館の膨大な収蔵資料と、北大総合博物館に所蔵されている開拓初期の貴重な未整理資料を中心に、情報の渉猟と整理、データベース化にあたる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
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Research Products
(2 results)