2014 Fiscal Year Annual Research Report
競争規制の歴史的成立をめぐって――ホームズの理論的寄与――
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23730050
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
滝澤 紗矢子 東北大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 准教授 (40334297)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | 競争規制 / アメリカ合衆国 / ホームズ |
Outline of Annual Research Achievements |
アメリカ合衆国における競争規制の成立に、オリバー・ウェンデル・ホームズ・Jr.の思想がどのように寄与したかを探求する、という本研究目的について、“Common Law"の精読を通じてホームズによる競争法規制の思想的転換の様相を明らかにした昨年度までの研究(おもな業績として、滝澤紗矢子「アメリカ競争規制に対するO・W・ホームズJr.の理論的寄与」水野紀子編『社会法制・家族法制における国家の介入』(有斐閣、2013年)43-52頁参照)を踏まえ、本年度は、ホームズが、裁判官として、具体の判決の中でどのように自身の思想を実践していったかを探究した。当該研究は、とりわけ、再販売価格維持行為について当然違法の原則を打ち立てた判決として有名なDr. Miles Medical Company v. John D. Park & Sons Company, 220 U.S. 373 (1911)におけるホームズ反対意見に焦点を当てて行った。すなわち、ホームズ反対意見を、彼の思想を念頭に置きつつヒューズ法廷意見との対抗関係において読み直し、20世紀初頭のアメリカの社会・政治状況に降り立って正確に理解するとともに、その今日的意義を再確認した。副産物として、Leegin Creative Leather Products, Inc. v. PSKS, Inc., 551 U.S. 877 (2007)以降、顧みられることの少ないニューズ法廷意見の読み直しにもつなげることができた。以上のような今年度の研究について、研究会報告や意見交換を行ったほか、その成果は、「再販売価格維持行為規制に関する一考察(1)」法学78巻6号(2015年)31-59頁として公表した。同論文の続編については、法学79巻4号(2015年10月)、80巻3号(2016年8月)ほかに公表する予定である。
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Remarks |
研究者の研究等に関するHP http://www.law.tohoku.ac.jp/staff/takizawa_sayako
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Research Products
(4 results)