2011 Fiscal Year Research-status Report
中国の対外援助の政策目的およびその効果――日本のODAと比較して
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23730174
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
徐 顕芬 早稲田大学, アジア研究機構, 講師 (90434216)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 国際研究者交流 / アジア:アフリカ / 国際協力 / 国際協調 |
Research Abstract |
本研究は、中国の対外援助の実態を明らかにし、中国と日本の対外援助の比較研究を行うことを目的とする。 助成事業実施一年目にあたる平成23年度においては、中国の対外援助の実態を解明することに重点を置いてきた。具体的には、(1)国内外研究文献の整理・利用、(2)中国政府公開外交資料の利用、(3)現地調査という三つの方法を用いて、中国の対外援助の量、供与形態、地域・国別という三つの側面からアプローチした。 中国政府が公開した外交資料を利用するため、北京にある中国外交部档案館にて資料調査を行った。1960年代後半までの中国の対外援助状況をある程度確認できた。また、1960年代までの中国の対アフリカ援助状況について、上海国際問題研究所の資料館で一部資料を収集できた。そして、浙江師範大学非洲(アフリカ)研究院にて、特に1990年代半ば以降の中国対アフリカ援助について、資料収集ができた。 この一年間の中国の対外援助の実態に対する調査を通じて、関係データベースを作成している。データベースの内容は、1950年から2010年まで中国の対外援助の年度別金額、援助規模(財政支出比)、供与対象国別金額、援助形態(無償か有償か)、供与分野(経済インフラや農業分野など)で構成する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記のように、一年目は、主として中国の対外援助の実態をベータベース化することを目的とした。 まだ完全なデータを入手できていないが、既存の文献資料の調査に加えて、鋭意現地調査を行った結果、系統的なデータベータの構築を進められた。
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Strategy for Future Research Activity |
助成事業2年目においては、主として中国の対外援助の政策目的およびその政策効果を検証することを目的とする。そのため、1年目に実施できなかった、実際の中国の対外援助の供与対象国への現地調査を行い、実際の援助プロジェクトを視察したい。それを通じて、データの充実を図るだけではなく、中国の対外援助の目的および実際の効果への理解を深めていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
主として海外調査と資料収集(購入、印刷、整理など)に充てる。
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