2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23730177
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
楠 綾子 関西学院大学, 国際学部, 准教授 (60531960)
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Keywords | 日米安全保障条約 / 冷戦 / 同盟 / 米軍基地 |
Research Abstract |
夏休みに米国・国立公文書館とマッカーサー記念館で実施した資料収集で、前年度までに引き続き在日米軍基地の運用をめぐる日米関係に関する外交文書を調査・収集した。また日本国内では、国会図書館等で日本国内の施設・設備の使用に関する文献や資料を収集することができた。これらの史資料によって、1950年代の基地をめぐる日米関係は、戦略的観点から実際の運用形態に至るまで、さまざまな局面を検討することが可能になると思われる。 本研究の成果の一部は、『現代日本政治史① 占領から独立へ』(吉川弘文館、2013年)、「冷戦と日米知的交流-下田会議(1967)の一考察」、「安全保障政策の形成をめぐるリーダーシップ-佐藤政権による吉田路線の再選択」戸部良一編『近代日本のリーダーシップ-岐路に立つ指導者たち』(千倉書房、2014年)となった。いずれも、1950年代の基地をめぐる日米関係を直接的に扱ったものではないが、1950年代から1960年代にかけての文化冷戦や知識人の安全保障論、さらに保守政権の米国との関係について、本研究での資料収集の成果を利用した研究である。在日米軍基地は、日米間においては軍事安全保障問題として処理されることが多いが、国内においては経済、社会、イデオロギー問題である。また日米関係においても経済問題と連動する場合もある。1950年代の日米安全保障関係について、政治、社会、経済、文化の分野を包含した検討を可能とする基礎を、これらの論考において作ることができたと考えている。
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Research Products
(3 results)