2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23730289
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
寺井 晃 京都産業大学, 経済学部, 准教授 (20387989)
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Keywords | 経済政策 / 経済事情 / 経済政策 / 経済統計学 / 期待インフレ率 / マクロ経済学 |
Research Abstract |
平成25年度は,期待インフレ率導出方法について,理論モデルの構築とデータへの当てはめ,実証研究を行った.また,この研究に関する先行研究のサーベイを行った. 平成24年度までに,内閣府等の政府公表の期待インフレ率のデータの扱いについて,理論的・実証的な問題点と応用方法の研究成果を挙げているので,平成25年度はこれらの研究を進展させた.これまでの研究では,期待インフレ率の回答者の分布について,ある一定の偏りがあることを指摘してきた.平成25年度の研究では,この偏りを理解するための一つの仮説として,期待インフレ率の回答者の分布が「混合分布」から生じているのではないかと考え,当てはめを行った.この成果は「インフレ期待の分布の分析」として論文にまとめられ,査読雑誌に掲載された. この論文では,回答者の期待インフレ率の分布を,機械的にある値を平均とした分布から得た層と,その場の情報を用いてフレキシブルに平均を動かす分布から得た層とに分け,この両者の「混合分布」と考えたものである.その結果,少なくない割合が平均を固定した分布から回答していることが判明している.これは,回答者が固定的な平均を持つ「切の良い数字での把握」を少なくない割合で行っていることを示すものであり,既存研究で得られた期待インフレ率の偏りを説明する仮説として妥当性を持つ. また,その場の情報を用いたフレキシブルな平均の分布については,合理性の検定を行った.その結果,こうした操作ではない期待インフレ率の系列よりも,論文において抽出した系列の期待インフレ率は一定程度の優位性が認められた.つまり,一定割合の家計のインフレ期待への合理性が考えられるものとなった.
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Research Products
(1 results)