2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23730412
|
Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
秋川 卓也 日本大学, 商学部, 講師 (80367515)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
|
Keywords | 返品 / SCM(サプライチェーンマネジメント) / 専用センター / 季節品 / 加工食品業界 / 日用雑貨業界 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度にあたる当年度においては、問題構造の特定化と実証のためのアンケート調査を行った。過年度における加工食品業界と日用雑貨業界に対するヒアリング調査と文献調査から、小売業者と卸売業者からの返品の実態と発生メカニズムについて把握することができた。特に返品発生要因として着目したのが、特定の小売チェーン専用の物流センター(いわゆる「専用センター」)と季節商品在庫の未消化に関する問題である。こうした発生構造のモデル化とともに、返品発生を緩和するための方法論を返品抑制企業の事例研究からの知見を踏まえながら、検討することができた。以上の結果は、2014年9月に流通経済大学で行われた第31回日本物流学会全国大会で「サプライチェーンマネジメントによる返品削減の可能性」の題目で報告することができた。また、同学会の学会誌にも論文を投稿中である。 また、こうした問題構造を踏まえ、返品抑制に対してSCM(サプライチェーンマネジメント)が貢献するかについて、因果モデルを構築した。当モデルを実証するために、ウェブによるアンケート調査を実施した。SCMにおける需給調整機能が返品を抑制するという基本仮説から、供給管理機能だけに注目するだけでなく、需要管理機能にも注目した点が既存研究とは一線を画するところである。検証計算はただいま慎重に実施しているところであり、結果が判明した次第、公表する予定である。 研究期間全体を通しての成果は、これまで単なる「悪しき商慣行」と見做されてきた返品に対し、SCMの視点から現実的な解決方法についての示唆を提供できたことであろう。ただし、実現のための方法論としては、議論がやや抽象的なところがある。その点を残された課題とし、今後も引き続き研究していきたい。
|
Research Products
(1 results)