2014 Fiscal Year Annual Research Report
被災者・被害者からみた地域再生~自然災害と原子力災害の比較研究
Project/Area Number |
23730468
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
原口 弥生 茨城大学, 人文学部, 教授 (20375356)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | 災害社会学 / カトリーナ災害 / 東日本大震災 / 環境的公正 / 避難者支援 / 災害レジリエンス / 放射能汚染 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.2014年3月に実施した茨城県内への全広域避難者を対象とするアンケート調査の集計・分析を行った(最終有効回答数452票、回収率30.5%)。結果概要としては、避難先に話し相手・相談相手がいない方が約50パーセントという、避難者の孤立化が鮮明に浮かび上がった。この状況と関連して、精神的不調の割合も大きくは減少しておらず、孤立傾向にある避難者の方が精神的不調を訴える傾向に有るという負の連鎖を確認することができた。ほかにも、家族の経済状況や賠償手続きについて調査を行った。これらのアンケート結果については、県内外のマスコミを通して報道され、社会に発信することができた(NHK水戸放送局、東京新聞、茨城新聞等)。また茨城県内の県内市町村の広域避難者担当者が集まる合同会議において、県内の広域避難者の現状と課題について報告する機会を得、本アンケート調査結果をもとに具体的な政策面での提言を行った(茨城県庁、2014年5月21日)。 2.学術面においても、2014年7月に開催された国際社会学会(ISA)にて発表し、国際的にも研究成果の発信することができた。「災害」と「環境社会学」という2つ研究分野(RC)にて、アメリカ・カトリーナ災害と東日本大震災の比較研究の成果、ならびに東日本大震災での激甚被災地を前に茨城県などの低認知被災地がおかれた状況・課題について2報告を行った。国内においても、平和学会(2014年6月)にて成果報告を行った。 3.継続して行っているアクションリサーチを通しての実態把握を進めており、①原発損害賠償説明会&個別相談、②リフレッシュ・キャンプ等を行った。これらに加え、研究代表者が2014年4月より茨城県内の広域避難者の支援団体ネットワークの代表を務めることになり、個人としての広域避難者の置かれた状況だけではなく支援団体の現状や課題についても把握が可能となった。
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Research Products
(8 results)