2011 Fiscal Year Research-status Report
ポピュリズム型住民運動にみる地域民主主義の新展開--河村名古屋市政の実証研究
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23730499
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Research Institution | Chukyo University |
Principal Investigator |
松谷 満 中京大学, 現代社会学部, 准教授 (30398028)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | ポピュリズム / 社会学 / 住民運動 / 地方政治 / 地域政党 / 河村たかし / 橋下徹 / 民主主義 |
Research Abstract |
本研究の目的は、2010年前後の名古屋における「ポピュリズム型」住民運動を対象とし、(1)なぜ運動は大きな成果をあげることができたのか、(2)この政治現象をどう位置づけるべきか、という問いを明らかにすることにある。具体的には有権者を対象とする質問紙調査、関係者へのインタビューといった方法を用いる。また、比較対象として、住民投票運動(徳島)やポピュリズム政治(東京・大阪)にも注目している。本研究は、現代日本のポピュリズム現象の背景や支持・動員の構造を明らかにするとともに現代日本の民主主義政治の再検討を視野に入れている。2011年度は、まず質問紙調査(名古屋市民意識調査)を実施した。2010年の住民投票運動および2011年の地方選挙における投票行動を中心に据え、それに影響を及ぼしたと考えられるさまざまな要因を含みこんだ調査票を作成した。サンプル数3000、有効回収率は34%であった。また、2011年11月の大阪市長選・府知事選の比較対象としての重要性に鑑み、当初予定になかった大阪での質問紙調査(大阪府民意識調査)もあわせて実施した。サンプル数2400、有効回収率は33%であった。本年度は、上記調査の実施、データの整理等に大きな時間を費やすこととなった。一方で、2010年の住民投票運動、2011年の名古屋市長選・愛知県知事選について基礎的な分析を行い、論文として発表した。また、2012年度にも複数の学会報告・論文を予定しており、そのための分析にあたった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた名古屋市民意識調査にくわえ、大阪府民意識調査も実施した。これにより、本研究が対象としている名古屋のポピュリズム運動をより広い視野から検討できるだけでなく、現代日本のポピュリズム現象全般についても、今後検討していくことが可能となった。その意味で、当初の計画以上の進展がみられたといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
第一に、2011年度に行った質問紙調査のデータ分析を行い、その成果をできるだけすみやかに発表していく。第二に、関係者に対するインタビューを本格的に開始し、本研究の問いを明らかにすべく、データの収集に努めるとともに、質的・量的データを補完的に用いた検討を行っていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
関係者に対するインタビュー(名古屋、大阪、東京)および学会報告、関連する研究者との意見交換などのために旅費を計上している。また、2011年度に行った調査データの入力およびチェック等を行うため、謝金を計上している。くわえて、被調査者向け、研究者向けの調査報告書の印刷のため、その他の費目に予算を計上している。
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Research Products
(2 results)