2013 Fiscal Year Annual Research Report
元ホームレス生活保護受給者の健康・栄養状態の実態把握と食生活支援システムの開発
Project/Area Number |
23730526
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Research Institution | Kanagawa University of Human Services |
Principal Investigator |
五味 郁子 神奈川県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 講師 (80363852)
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Keywords | 生活保護受給者 / 食生活 / 高齢者 / 低栄養予防 / 地域資源 / インターネット |
Research Abstract |
地域で暮らす生活保護受給者や高齢者は、身体状況や生活状況のさまざまな要因により「食べること」がおびやかされることがある。一方、地域には住民の食生活をサポートする地域資源が多様に存在している。本研究は、地域住民の個別の食生活状況に応じて、必要な地域サービスをコーディネートするインターネット活用型食生活サポートシステムの構築を目的とした。 23-24年度に、個別の食生活状況を把握するための「食生活チェックシート」の開発、モデル地域における食生活サポート地域資源のデータベース作成をふまえインターネットサイト『食生活サポートナビ』を開設した(http://shoku-support.com)。 最終年度は、食生活サポートナビの追加機能として、食生活チェックシートのチェック項目ごとに栄養教育媒体を開発し(全14種類)、モデル地域の元ホームレス生活保護受給者および高齢者を対象に、食生活サポートナビの試験的運用を実施した。 また、モデル地域の元ホームレス生活保護受給者9名および高齢者276名を対象に、健康・栄養状態と食生活の実態調査を実施し、食生活支援ニーズの把握を行った。その結果、元ホームレス者においては、1日1~2食の者が66%、低栄養リスク者が55%、食事療法が必要な疾患に罹患しているものの適切な栄養ケアを受けていない者もおり、管理栄養士を含む各種ののサポートが必要であることが明らかになった。一方、高齢者においては、低栄養(痩せ:BMI<18.5が4.7%、アルブミン低値:Alb≦3.5g/dlが1.1%)は少数であったが、主食の量が50~100g/1食、肉・魚・卵・大豆製品(主菜)が1日1~2皿、食欲がない、咀嚼・嚥下の問題、エネルギーやたんぱく質を自主的に制限している者の頻度が明らかになり、低栄養予防のための関わりが必要であることが明らかになった。
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Research Products
(5 results)