2013 Fiscal Year Annual Research Report
日本におけるロールシャッハ法の輸入過程と発展過程の検討
Project/Area Number |
23730653
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
佐渡 忠洋 岐阜大学, 保健管理センター, 助教 (60510576)
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Keywords | 歴史 / 輸入過程 / 発展過程 / 文献研究 / 研究者 |
Research Abstract |
本研究は、わが国で最も代表的な心理アセスメント技法であるロールシャッハ法(Rorschach’s Inkblot Method;RIM)に関して、歴史的研究を行うものである。目的は、日本へのRIM輸入過程を明らかにすること、日本でのRIM発展過程を明らかにすることである。 この最終年度では、1)輸入過程を検討するために、岡田強・内田勇三郎に関する文献レビュー、インタビュー調査を継続して実施した。2)また、発展過程を検討するために片口安史・河合隼雄・藤岡善愛に関する文献レビューも継続して行った。3)1932~1959年までのRIM邦文献一覧は前年度に作成していたため、今年度は1960~1979年までの邦文献一覧を作成した。4)さらに上の検討より、日本のRIM発展過程の特徴として、諸外国に比べ多くの新図版を制作してきた点が顕著であると判断されたため、日本のRIM史を新図版制作という観点から検討を行った。 多くのデータを収集・整理し、検討することができた。得られた知見は、いずれもわが国のRIM史の特徴を描出するために重要なものである。学会発表や論文によってこれらの知見をより広く発信させていく。また、わが国でのRIM発展は、臨床心理学という学問そのものの発展としても理解することができた。したがって、本研究結果に基づきつつ、日本の臨床心理学史・心理臨床学史を検討していくことが今後の課題として位置づけられた。
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Research Products
(5 results)