2015 Fiscal Year Research-status Report
幼児とのコミュニケーション能力を育む家庭科「触れ合い体験」学習プログラムの開発
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23730827
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
田甫 綾野 山梨大学, 総合研究部, 准教授 (00583460)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2017-03-31
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Keywords | 触れ合い体験 / 世代間交流 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、これまでの研究成果を踏まえ、中学校教員に依頼し、「幼児と一緒に遊ぶ」ということを意識させた事前指導のもと幼児と遊ぶためのおもちゃ作りを行った。その上で行われた、中学生と幼児との触れ合い体験学習では、身体的同調性の高い遊びが増え、幼児とかかわる時間が長くなり、盛り上がりが継続する事例が見られた。また、保育者が一緒に遊ぶ様子をみてまねながら、幼児とのかかわりを変化させる中学生も見られ、「一緒に遊ぶ」ことを意識させることに一定の評価が見いだせた。しかしながら、「幼児を遊ばせる」という意識は根強くあり、逸脱する幼児をチェックする中学生やすぐにゲームに負けてしまう中学生もみられたことから、保育者が遊び方のモデルとなる必要性や、中学生自身が遊び込んでその遊びのおもしろさを十分に体得してくることの必要性が明らかとなった。 さらに、幼児とのかかわり方を分析するために、大学生と幼児との交流を企画した。楽器を通した交流では、幼児が楽器へ高い関心を示していたことから、幼児らの知的好奇心を増長させ、交流の後も楽器づくりや演奏ごっこなどの遊びが継続した。ここでの交流では、大学生が幼児も主体的に参加できるようなプログラムを構成したこと、音楽の楽しさを大学生自身が実感していたこと、幼児の興味関心が楽器に向いていたことなどから、互恵性のある交流になったと考えられる。 本年度の研究の結果として、互恵性の高い交流を行うためには、幼児の興味関心に沿うこと、交流の際の活動のおもしろさを年長者が実感していること、さらに両者が主体的に活動にかかわれるということが重要であるとの結論を得られた。 また、幼児と大人、幼児と中学生との交流についても調査を行い、同様の結論を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
これまでの研究成果から中学校教員に依頼し、2月に「一緒に遊ぶこと」等を意識したおもちゃ作りと触れ合い体験を再度行う予定でいたが、インフルエンザの流行により交流が中止となって、最終的な観察が不可能となってしまったため。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究で課題としてあがった点を踏まえての触れ合い体験を行い、仮説を検証する。さらには学会等での発表を行う。また、中学校向けのリーフレットの作成を予定している。
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Causes of Carryover |
最終的な仮説検証調査ができず、リーフレットの作成等が実施できなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度の成果を踏まえての学会発表およびリーフレットの作成を行う。
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Research Products
(3 results)