2012 Fiscal Year Research-status Report
高次脳機能障害等のある生徒・学生への支援技術による合理的配慮に関する研究
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23730856
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
近藤 武夫 東京大学, 先端科学技術研究センター, 准教授 (00379869)
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Keywords | 合理的配慮 / 支援技術 / アクセシビリティ |
Research Abstract |
高次脳機能障害等の認知面の障害のある児童生徒・学生の学習上の困難について,その合理的配慮として必要となる支援技術利用に関する実践研究を実施した。特にテクノロジー利用により,読み書きの困難(e.g., 音声読み上げ,電子書籍,入力支援ツール等),タイムマネジメントの支援(e.g., 電子的なカレンダー,リマインダーの利用),思考や概念のまとめの支援(e.g., マインドマップ)に有効なツールの利用とそのまとめを行った。 また,これらの技術利用は,単に利用法を本人が学習するだけではなく,その利用を許容する学習環境が存在することが重要であり,そのために初等中等教育機関,高等教育機関等の機関側に,合理的配慮として技術利用を認める体制の整備が必要であることがわかった。そのため,欧米での先行事例との比較から,今後必要となると考えられる体制整備のあり方を提案した。 さらに,教育機関でのテクノロジーを利用した学習は,学習場面だけに留まらず,やがて就労場面でも同様に機器を利用して働くことへと関連し,また利用スキルも般化することが予測される。 そのため就労移行を想定して,本人に教育場面における自己のニーズや,合理的配慮としてのテクノロジー利用についての理解を深めること,そのニーズを他者に適切に説明することといったスキルや経験の必要性が明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
学習に関する困難へのテクノロジー利用による合理的配慮に関する実践とまとめ,今後の目的(利用法の当事者および支援者,その他関係者への情報提供)に付随して必要となる,当事者を取り巻く環境における制度面のニーズ,活用の拡がりから生まれる教育から就労へのテクノロジー利用の移行支援について検討することができているため。
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Strategy for Future Research Activity |
通常の教育場面での利用およびその後の移行支援に関して必要となる合理的配慮と付随する環境整備について重点的にまとめることで,「テクノロジーによる合理的配慮」を教育場面に実装するために必要となる具体的な実践内容は何か,またその期待される効果についての検討を深める。以上の成果は,高次脳機能障害等の障害のある当事者および支援者,その他関係者への情報提供につなげることを視野に入れたまとめを行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
合理的配慮につながるテクノロジー製品のテストのための購入,成果の発表,情報収集のための旅費(米国Baltimoreで開催されるAHEADカンファレンスまたはInnsbruckで開催されるInternational Conference on Higher Education and Disabilityへの参加・情報収集),研究補助作業にかかる謝金に使用する。
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Research Products
(8 results)