Research Abstract |
2012年度は,2011年度に導入したブレドン型の同変モティヴィックコホモロジーの研究を引き続き行った。はじめに,ヴォエヴォドスキーによる移送付き前層の枠組みを,同変の場合に拡張した.ここでは同変とは$\mathbb{Z}/2$同変を意味する。このために同変ニスネヴィッチ位相を導入しなけれはならない。これは,完備正則なcd構造として与えられる。また,同変標準三つ組$(\overline{X}\xto{p}S, X_\infty, Z)$を導入した。ここで,$p$は相対次元1の固有な同変写像,$X_\infty$, $Z$は不変な部分スキームであって,$S$はスムース,$X$は正規,$X=\overline{X}\setminus X_\infty$は準アフィンかつ$S$上スムース,$Z\cap X_\infty=\emptyset$,そして$X_\infty \cup Z$は同変なアフィン近傍を持つものとする。主定理は,任意のスムースな$G$スキームは,局所的には同変標準三つ組の一部である,というものである。これはヴォエヴォドスキーの定理の同変な場合への一般化である。また,同変三つ組がホモトピー不変な同変移送付き前層について,ヴォエヴォドスキーの場合と同様の性質をもつことを示した。 同変でない場合の定理の拡張として,$F$をホモトピー不変な同変移送付き前層,$W$を1次元表現とするとき,$(F_{GNis})_{(-W)}(S)=(F_{(-W)})_{GNis}(S)$が成立することを示した。ここに$S$はスムースな半局所$G$スキームである。最終的な結果として,$\mathbb{Z}$-同変簡約定理を示した。この定理は,$X,Y$をスムースな$\mathbb{Z}/2$多様体とするとき,射$Z \to Z \otimes I$により誘導される単体的可換群の準同型\[C_*c(X,Y) \to C_*c(X_+\wedge \mathbb{G}_m,Y_+\wedge \mathbb{G}_m)\]は同変ホモトピー同値であることをいう。この同変ホモトピー同値は,$G$が巡回群の場合に拡張できる。 これを示すために,任意の部分群$K \subset G$に対し\[C_*c(X,Y)^K \to C_*c(X_+\wedge \mathbb{G}_m, Y_+\wedge \mathbb{G}_m)^K\] が単体的可換群のホモトピー同値であることを証明した。ここで,$c(X,Y)$は$c_{equi}(Y,O)(X)=Cor(X,Y)$を意味する。 結果として,任意のスムース$G$多様体$X$に対し,\[\mathbb{H}_G^n(X; C_*c_{equi}(Y,O)^G) =\mathbb{H}_G^n(X \wedge \mathbb{G}_m; C_*c_{equi}(Y \wedge \mathbb{G}_m, O)^G) \]であることが示される。これらの結果は,フリードランダー,ヘラー,オストヴァーとの共同研究により得られた。
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