2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23740025
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
服部 新 九州大学, 数理(科)学研究科(研究院), 助教 (10451436)
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Keywords | ガロア表現 / クリスタリン表現 / 合同 / 分岐 |
Research Abstract |
本研究の目的はp進クリスタリン表現に存在する種々の合同関係の解明である.本年度は前年度に引き続き,(1) 局所体のp進クリスタリン表現に伴う半単純法p表現の合同 (2) 異なる標数を持つ局所体のp進表現の間の合同(分岐対応の理論),の二点について研究を行った. (1)に関しては,p進クリスタリン表現に伴う単位円盤上のフロベニウス加群から,半単純法p表現に現れる従順指標を特定する手法について研究を行った.Barsotti-Tate表現の場合の考察から,ある種のスペクトルノルムに着目するというアイデアを得て研究を進めたが,最終的な結果には到達しなかった. (2)に関しては,前年度に得た,標数の異なる完備離散付値体のガロア群の間の同型定理を,証明を改良・結果を拡張したうえで論文にまとめ,学術誌に投稿した(採録決定済).この定理には,混標数のガロア群のガロア表現と等標数のガロア群のガロア表現を結び付け,困難な側の研究を容易な側の研究に帰着させられる,という意義がある.これにより,研究計画で掲げていた,異なる標数のガロア群の表現の間の合同関係の解明,という目標はある程度達成できた.
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