2012 Fiscal Year Research-status Report
ループ群の複素化と実形による定曲率空間の曲面の構成
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23740042
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
小林 真平 弘前大学, 理工学研究科, 准教授 (40408654)
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Keywords | 平均曲率一定曲面 / 可積分系 / ループ群 / 線形常微分方程式 |
Research Abstract |
本年度も前年度に引き続き,ループ群を用いたさまざまな空間内の可積分曲面のワイエルシュトラス型の表現公式の導出を目標とした.特に,三次元球面内のガウス曲率一定K<1の曲面のワイエルシュトラス型の表現公式の導出に成功した(井ノ口順一氏とDavid Brander氏との共同研究).また,ループ群の作用から導出される離散ソリトン方程式の方法を適用し,離散mKdV方程式を新しくループ群の作用から導いた. 三次元球面内のガウス曲率一定K<1の曲面はsine-Gordon方程式で特徴付けられ,その解の構成,性質等については膨大な研究が存在する.しかしながら,曲面としての性質は詳しく調べられておらず,ループ群を用いたワイエルシュトラス型の表現公式(非線形ダランベールの公式とも呼ばれる)についても知られていなかった.そこで,適切なガウス写像が対称空間へのローレンツ調和写像である事と曲面のガウス曲率一定K<1である事との同値性を示し,その事を用いて,表現公式を導出した.また,ガウス曲率Kが0に退化する場合も詳しく調べた. ソリトン方程式の離散化は,理論上また応用上重要である.特に可積分構造を保った離散化が重要であり,その為にはループ群の対称性をもつように,ソリトン方程式に附随する線形方程式を離散化する事が必要である.KdV方程式, sine-Gordon方程式等に対して,真空解のループ群作用を用いて離散化できる事が知られていた.mKdV方程式に対しても同様の方法が適用できる事を示し,今まで知られている離散線形方程式とは異なった定式化を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
三次元球面のガウス曲率一定K<1の曲面のワイエルシュトラス型の表現公式及び,離散mKdV方程式の新しい導出という結果を得る事ができており,研究目的をおおむね達成している.
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Strategy for Future Research Activity |
ユークリッド変換群より大きい群が働く停留曲面の一つである,三次元射影空間内の極小曲面やDemoulin曲面に対しての研究を推進していく.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
25年度においては次の1, 2, 3の項目に対して研究費を使用する予定である. 1. 研究打ち合わせ・成果発表・専門知識の提供 2. 研究資料の購入 3. シミュレーションを行う為のコンピュータ
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Research Products
(2 results)