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2011 Fiscal Year Research-status Report

確率制御理論の応用的研究

Research Project

Project/Area Number 23740069
Research InstitutionTokyo Institute of Technology

Principal Investigator

中野 張  東京工業大学, イノベーションマネジメント研究科, 准教授 (00452409)

Project Period (FY) 2011-04-28 – 2014-03-31
Keywords確率制御
Research Abstract

当該年度の研究実施のために先行研究の詳細な調査を行った結果、確率制御問題の数値計算に関しては大きく二つの問題があり、一つは「研究の目的」にも記載したように次元の呪いが存在すること、もう一つは収束の厳密な証明のためには強い仮定が必要となることが分かった。当初の研究計画では、ファイナンスなどに現れる特殊な問題に対して前者の問題を解決するような近似法の開発を考えていたが、この調査を受けて、一般のモデルに適用できる汎用性のある近似の方が重要と考え、この方向で研究を進めた。その結果、粘性解の意味で値関数が対応するハミルトン・ヤコビ・ベルマン方程式の一意解となるような広いクラスの確率制御問題に対して適用可能であり、かつ実装が比較的容易な近似法の導出に成功した。既存研究の中で、最も弱い条件下で適用可能なのは、Semi-Lagrangian法と呼ばれる有限要素法的な手法であるが、これは多次元の補間を要するものであり、実装は簡単ではない。また、今回導出した手法においては、必要となる条件付期待値の計算に対して様々な数値計算法を使うことができる。例えば、準乱数を用いた数値積分やモンテカルロ法によるカーネル密度推定などである。この意味で提案手法は次元の呪いに対しても比較的強い。現在は具体的な実装の研究を進めており、この完了の後、解析解が得られるような人工的な問題に対するパフォーマンス評価やファイナンスにおける高次元の動的最適化問題などへの適用を行い、有効性を検証する。現在得られている理論的な収束の結果とこれらの数値計算の研究を併せて一編の論文として纏め投稿する予定である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

連続および不連続な経路をもつ確率制御問題に対する数値計算法の開発とその具体的な応用が本研究の目的であった。当該年度においては連続な経路をもつ確率制御問題の理論的な近似アルゴリズムの導出とその収束の厳密な証明に成功した。これは本研究の達成に関して最も不確実性の高かった点である。残る研究課題は導出したアルゴリズムの具体的な実装と応用、および不連続な場合に対する数値計算法の開発である。最後の課題に関しては連続な場合と類似の手法の正当化が期待できる。本研究がおおむね順調に進展していると言えるのは以上のような状況による。

Strategy for Future Research Activity

当該年度においては連続な経路をもつ確率制御問題の理論的な近似アルゴリズムの導出とその収束の厳密な証明に成功した。今後は、導出したアルゴリズムの具体的な実装と応用、および不連続な場合に対する数値計算法の開発を目指す。特に次年度においては、連続モデルに対する実装の確立と実際的な応用への適用を行いたい。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

資料として図書の購入および数値計算のための東京工業大学tsubame計算サービスを利用する。また、研究発表のために旅費を使用する。予定金額は以下の通り。消耗品費: 図書50千円、計算サービス50千円旅費: 研究発表(国内100千円、外国300千円)

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Published: 2013-07-10  

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