2011 Fiscal Year Research-status Report
楕円型作用素の精度保証つき固有値評価と非線形問題への応用
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23740092
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
劉 雪峰 早稲田大学, 理工学術院, 研究員 (50571220)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 高精度な固有値評価 / 非線形偏微分方程式 |
Research Abstract |
1.偏微分方程式の解の検証について重要な役割を果たす微分作用素の固有値評価について、高精度な精度保証付き固有値評価方法を提案した。 従来の方法は有限要素法をベースにして、作用素の固有値評価が可能であるが、精度が低く、計算時間も長いという問題がある。提案した方法は有限要素法の粗い評価とLehmann-Goerischの定理とを合わせて、高精度な固有値評価が可能になった。提案手法は従来の有限要素法の計算結果と比べると、精度が10000倍以上良くなることが分かっている。また、提案手法は非凸な領域に自然に対応できるので、この方法によってより多くの非線形偏微分方程式の解を高精度に評価することができる。2.一般的な多角形領域での楕円型偏微分方程式の近似解の誤差評価について、系統的な誤差解析を行った。楕円型微分方程式のモデル問題Poisson方程式の近似解の誤差評価について、計算可能的な事前誤差評価式、誤差収束オーダーなどを具体的に検討し、論文にまとめた。これらの結果は非線形偏微分方程式の解の検証について重要な役割を果たしている。既存の非線形偏微分方程式の解の検証方法とを合わせて、従来の研究での領域の変換などの面倒な事前処理が不要になり、一般的な領域へ自然に対応できる。一般的な楕円型偏微分方程式の誤差評価も検討した。考える領域が凸領域の場合、偏微分方程式の有限要素近似解の具体的な誤差評価式が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
「高精度な固有値評価の評価」は計画より早めに進みまして、いい研究結果ができた。
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Strategy for Future Research Activity |
1.Lehmann-Goerischの定理を応用して高精度な固有値評価の評価を行う時、特異基底関数の積分の計算が必要である。しかし、これらの基底関数の精度保証付き評価は難しい、来年度は特異基底関数の厳密な積分手法を検討予定である。2.楕円型偏微分方程式の近似解の誤差評価について、領域が非凸な場合、誤差評価において大切なHypercircle-equationの構築が難しい、来年度はこれらの問題に挑戦する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度の研究には、本の購入や数値計算用ソフトウエアのライセンスの更新などには研究費を使用することがある。また、該当分野の国内・国際会議を参加して、研究結果を交流する予定もある。
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Research Products
(10 results)