2013 Fiscal Year Annual Research Report
作用素構成因子の持つ函数論的性質を用いたチェザロ型積分作用素の解析
Project/Area Number |
23740100
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
植木 誠一郎 茨城大学, 工学部, 准教授 (70512408)
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Keywords | Bergman空間 / Fock空間 / チェザロ型積分作用素 / ヴォルテラ型積分作用素 / 合成作用素 |
Research Abstract |
ベルグマン空間上の合成作用素と微分作用素との作用素積の有界性およびコンパクト性を作用素構成因子である解析関数の持つ函数論的な性質で特徴付ける研究を行った。合成作用素と微分作用素との作用素積の性質は解析関数φ(z)の増大度と微分の階数の双方に影響を受けること、特に合成作用素がLens mapやLunar mapで定められる場合、境界に接する部分の開き具合の角度が微分の階数によって制限されることを明らかにした。 Bekolle条件を満たす連続関数を重み関数とする重み付きベルグマン空間上の合成作用素は重み関数とφ(z)-wの零点分布に起因する個数関数との増大度の比により有界性とコンパクト性が特徴付けられることを明らかにした。コンパクト性に付いては、重み付きベルグマン空間における作用素のノルム近似の手法を確立することで合成作用素に対する本質ノルム評価を行うことができた。 有界領域上のBloch空間に相当する全平面で定義されるBargmann-Fock空間の高階微分作用を利用した特徴付けおよび標準ノルムに同値なノルムの導入についての研究を行った。これらの研究は関数空間上で積分作用素の性質を解析する際に必要不可欠な道具である。ここではチェザロ型積分作用素の解析への応用を試み、その作用素ノルム、本質ノルムに対する評価不等式が得られるに至った。さらにBargmann-Fock空間に作用するヴォルテラ型積分作用素に関して、2次の多項式で定められる場合に有界性を、1次の多項式で定められる場合にコンパクト性を特徴付けることがわかった。
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Research Products
(4 results)