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2011 Fiscal Year Research-status Report

非可換ソリトンの研究と弦理論・可積分系への応用

Research Project

Project/Area Number 23740182
Research InstitutionNagoya University

Principal Investigator

濱中 真志  名古屋大学, 多元数理科学研究科, 助教 (70377977)

Project Period (FY) 2011-04-28 – 2015-03-31
Keywordsソリトン / インスタントン / ADHM構成法 / Quasideterminant / 可積分系 / 非可換幾何 / ハイパーケーラー幾何学
Research Abstract

研究実施計画に基づき,非可換ソリトンの研究と可積分系への応用に取り組んだ。今年度は主に,非可換空間におけるインスタントン解のAtiyah-Drinfeld-Hitchin-Manin (ADHM) 構成法について詳しく調べた.インスタントンとは4 次元ゲージ理論のAnti-Self-Dual Yang-Mills (ASDYM) 方程式の有限作用を与える特別な解のことであり,素粒子論・幾何学双方においてきわめて重要な研究対象である.2011 年1 月頃から中津了勇氏(摂南大学) と,非可換インスタントンのモジュライ空間の構造について議論を重ねてきたが,U(1) インスタントン数の起源や取りうる群作用についていくつかの新しい成果を得た. それらを盛り込んだ総合報告をまもなく投稿する予定である.佐藤理論の非可換化・高次元化の研究にも上半期にある程度の時間を割き,Quasideterminant が満たすプリュッカー関係式が定義する無限次元空間(変形された佐藤グラスマン多様体と考えられる) とその対称性を考察した. 厳密解の弦理論的解釈についてもいくつかの可能性を検討した.また,ラグランジアンの視点から可積分系を定式化する研究にも着手し始め,古典可積分系と量子可積分系の関係について調べた.さらに,モジュライ空間の幾何学的性質の解明に役立てるべく,(主に非コンパクトの場合の) ハイパーケーラー幾何学の数学的基礎ついて総合報告を書いた.またこれら一連の成果を各種学会や各大学のセミナーで発表し、討論を行った.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

非可換空間におけるインスタントン解のADHM構成法に関しては,中津氏との共同研究を1 年間かけて着々と進展させ,非可換ADHM 構成法の理解を一通り具体的に解明することができた.論文はまもなく完成する予定であり,順調であるといえよう.佐藤理論の非可換化・高次元化の研究に関しては,新しい知見は多くは得られなかったが,論文を一本書くことができた.ラグランジアンの視点から可積分系を定式化する研究に関しては,論文にまとめる段階には至っていないが,着実に理解は深まっており,次年度に実りある継続研究が期待できる.ハイパーケーラー幾何学についての総合報告は今後の解空間・モジュライの研究に大いに役立つであろう.

Strategy for Future Research Activity

研究実施計画に基づき,まず非可換ASDYM方程式を運動方程式に持つようなN=2弦理論の有効作用を具体的に記述し, 非可換ASDYM方程式の厳密解の具体的構成と弦理論的解釈および弦理論への応用を推し進める. また非可換Ward予想の具体例を介して, 低次元ソリトン方程式に対しても同様の議論を行う. さらにSeiberg-Wittenマップを具体的に与え, 可換側と非可換側の対応付けを行い「非可換空間上での可積分系」とは何かを定義する. より具体的には, 背景フラックス中のゲージ理論の記述との対応を具体的に示し,(Non-abelianゲージ群の場合の)Seiberg-Wittenマップを見出すことにより,非可換可積分方程式とある種の可換可積分方程式の対応を具体的に与える.これによりPoisson構造, Hamilton構造を定義し, Liouvilleの意味での保存量の独立性を証明する. 次に,ラグラジアン形式から出発した可積分系の再定式化, 分類を行う. 特に古典可積分系と量子可積分系との関係を議論するために, 無限次元の対称性が明白になるような変数を用いてラグランジアンを再構成し, アノマリーの判定条件となる幾何学的障害を具体的に明らかにする. (この議論は主に可換空間の設定で行う.)余力があれば,5次元以上の高次元ブラックホール解構成といったさらなる応用も展開する.

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

非可換性を時間方向に入れた場合の可積分性の基礎付けを行うため,Glasgow大学の Strachan氏と2012年8月頃に3週間議論を行う.そのための海外旅費が必要となる.また, ラグラジアン形式から出発した可積分系の再定式化, 分類を行うため,立教大学の神保道夫氏,京都大学の高崎金久氏と研究打合せを行う.そのための国内旅費が必要となる.また専門的知識の吸収のため,専門家を6人程度名古屋大学に招へいし,国内の研究集会に参加する.そのための国内旅費が必要となる.得られた成果は英文誌に論文発表し,さらに各種学会や各大学のセミナーで口頭発表を行う.そのために,国内旅費,海外旅費および,論文別刷代,発表のためのコンピューターソフトウェアといった物品費が必要である.

  • Research Products

    (2 results)

All 2012 2011

All Journal Article (1 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] Hyper-Kahler幾何学の数理と物理2012

    • Author(s)
      浜中真志
    • Journal Title

      素粒子論研究

      Volume: 119 Pages: 245-279

  • [Presentation] Non-commutative Solitons and Quasi-determinants2011

    • Author(s)
      Masashi Hamanaka
    • Organizer
      String-Math 2011
    • Place of Presentation
      ペンシルバニア大学
    • Year and Date
      2011年6月8日

URL: 

Published: 2013-07-10  

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