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2012 Fiscal Year Annual Research Report

初期生命進化のキープロセス「コマチアイト-水反応」の定量的解明

Research Project

Project/Area Number 23740382
Research InstitutionJapan Agency for Marine-Earth Science and Technology

Principal Investigator

中村 謙太郎  独立行政法人海洋研究開発機構, システム地球ラボ, 研究員 (40512083)

Keywordsコマチアイト / 水-岩石反応 / 初期生命進化 / 水熱実験
Research Abstract

本研究によって、以下のことが明らかとなった。
(1) 変質によるH2の発生量は、MgO含有量20~25 wt%で明瞭に切り替わり、これ以上では10mmol/kgオーダーの水素が生ずるのに対して、これ以下ではサブmmol/kgオーダーの水素しか生じないことがわかった。このことから、変質という観点から見たコマチアイトと玄武岩の境目は、岩石学上の定義であるMgO=18wt%よりややMgに富んだ20-25wt%にあることになり、太古代から原生代に良く見られるMgにやや乏しいコマチアイトやMgに富んだ玄武岩(コマチアイト質玄武岩)は、変質による水素発生には関与しないと考えられる。
(2) コマチアイトのAl組成は、バーバートンタイプからゴルゴナタイプまでの範囲では、水素発生量に大きな影響を与えないことがわかった。このことから、時代によるコマチアイトのAl組成変化が、変質による水素の発生量には顕著な影響を及ぼさなかった可能性が高いと考えられる。ただし、ゴルゴナタイプよりわずかにAlに富んだコマチアイトでは、蛇紋石化よりも緑泥石化が卓越し、水素発生量が明瞭に低くなることから、Al組成の境界はゴルゴナタイプのトレンドの僅かに高Al側に存在している。
(3) カンラン岩は300℃で水素発生量が最高値に達して、それより高温では水素発生量が急激に減少するのに対して、コマチアイトは350℃で水素発生量が最高値に達し、400℃でもあまり下がらないことがわかった。これは、コマチアイトがカンラン岩と異なりSiO2の活動度が高いために、400度になってもカンラン石が安定にならないことが影響していると考えられる。一般的に、海底熱水系の水ー岩石反応場の温度は約400℃まで上がると考えられていることから、変質による水素の発生には現世のカンラン岩型よりも、プレカンブリアンのコマチアイト型の方が有利だった可能性がある。

  • Research Products

    (2 results)

All 2012

All Presentation (2 results)

  • [Presentation] Experimental study on H2 generation during serpentinization of komatiite2012

    • Author(s)
      Takazo Shibuya
    • Organizer
      American Geophysical Union
    • Place of Presentation
      San Francisco, USA
    • Year and Date
      20121203-20121207
  • [Presentation] コマチアイトの熱水変質実験による水素発生過程の解明2012

    • Author(s)
      吉崎もと子・渋谷岳造・鈴木勝彦・清水健二・中村謙太郎・大森聡一・高井研・丸山茂徳
    • Organizer
      日本地球化学会
    • Place of Presentation
      九州大学
    • Year and Date
      2012-09-12

URL: 

Published: 2014-07-24  

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