2013 Fiscal Year Annual Research Report
電子求引基を有するアルキル鎖のβ位におけるメチレン基酸化法の開発
Project/Area Number |
23750043
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
上野 聡 九州大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (50514139)
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Keywords | パラジウム触媒 / ニッケル触媒 / アルキルケトン / エナミン / δ-ジエナミノン / 1,3-ジケトン / 置換ピリジン |
Research Abstract |
本研究は、アルキルケトンのβ位メチレン基をカルボニルに変換し、有機合成化学において有用である1,3-ジカルボニル化合物を直接合成することを目的としている。昨年度は、パラジウム-1,3-ジアミン触媒系において、アルキルケトンとピロリジンとの反応を、酢酸アリルおよび炭酸セシウムを用いて行うことで、β-エナミノンが得られることを見いだした。今回、この反応で得られるβ-エナミノンを、塩酸水溶液で処理することで、1,3-ジケトンへ変換できることを見いだした。この一連の反応は、ワンポットで実施可能であり、アルキルケトンから高収率で1,3-ジケトンが得られた。さらに、この分子変換を応用し、アルキルケトンとエナミンとから、ワンポットでピリジンを合成することにも成功した。ニッケル-トリメチルホスフィン触媒存在下においてクロロベンゼンおよびリン酸カリウムを用いて、エチルケトンを、アセトフェノンとピロリジンとから調整されるエナミンと反応させると、δ-ジエナミノンを高収率で与えることがわかった。このδ-ジエナミノンは、塩化アンモニウムで処理することで、置換ピリジンへと効率よく変換された。この分子変換もワンポットで実施することができた。この反応では、様々なアルキルケトンとエナミンを用いることができ、効率よく二置換または三置換ピリジンを合成できた。また、アルキルケトンとしてブチロフェノンを用いた場合、δ-アミノ-γ,δ-不飽和ケトンが得られた。この生成物は、強塩基を共存させることで、ベンジルブロミドとα位で求核置換反応を起こし、続くアンモニウム源との反応で、四置換ピリジンへと効率よく変換された。
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Research Products
(11 results)