2013 Fiscal Year Annual Research Report
水素結合を利用した立体特異性ラジカル・アニオン重合と統計的2次元NMRによる解析
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23750130
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
平野 朋広 徳島大学, ソシオテクノサイエンス研究部, 准教授 (80314839)
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Keywords | 水素結合 / 立体規則性 / 主成分分析 / NMR / 帰属 / 部分最小二乗回帰 / ラジカル重合 / アニオン重合 |
Research Abstract |
種々の立体規則性を有するポリ乳酸を合成し,主鎖CHの13C NMRスペクトルおよびCH3基をdecouplingしたCH基の1H NMRスペクトルについて主成分分析(PCA)を行った.4連子立体規則性による帰属が説明可能であることがわかった.4連子立体規則性を算出し,4種類のスペクトルデータをトレーニングセットとして部分最小二乗回帰による4連子タクチシチーの推定を行った.decouplingしていない1H NMRスペクトルをトレーニングセットとして用いても,4連子タクチシチーが高い精度で推定可能であることがわかった. 立体規則性が異なり組成がほぼ50:50のMMA-TBMA共重合体のC=O基とPMMAの4級炭素の13C NMRスペクトルについてPCAを行った.PMMAの4級炭素との相関を利用して複雑に分裂する共重合体のスペクトルからmm,mrおよびrr3連子を含むシグナルをそれぞれ抽出できた.また,イソタクチックPTBMAから組成だけが異なる共重合体を合成した.(共)重合体のC=O基の13C NMRスペクトルのPCAから,モノマー連鎖による情報を抽出できた.上記の結果と合わせて,立体規則性とモノマー連鎖の両方を部分的に帰属できた. TBZLを開始剤とするトルエン中低温でのNIPAAmの低温アニオン重合系にHFIPを添加するとイソタクチックなポリマーが得られる.時間を変えて重合を行い,分子量の異なるポリマーを合成し,その1H NMRスペクトルについてPCAを行ったところ,オリゴマー由来のシグナルを抽出できた.DOSYやMALDI-TOFMSの結果と合わせて,本重合系には重合活性の異なる活性種が複数存在することが示唆された. 非共役モノマーであるN-ビニル-2-ピロリドンのラジカル重合を低温で行うとポリマーが得られないが,L-酒石酸ジエチルを添加するとポリマーが得られることを見出した.また,温度の低下とともにイソタクチシチーが増加することも見出した.
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