2012 Fiscal Year Annual Research Report
新しい高屈折率物質と高度自己組織化による完全光学結晶の作製と光学機能の研究
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23750152
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
曽越 宣仁 電気通信大学, 情報理工学(系)研究科, 准教授 (10361396)
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Keywords | 逆オパール / 高屈折率 / 完全光学禁制帯 |
Research Abstract |
本研究におけるフォトニック結晶とは,粒径のそろった微粒子を配列させて得られる人工オパールをさす。本研究ではフォトニック結晶の作製法として逆オパール法と呼ばれる方法を改良して用いた。この方法を用いると,いかなる材料であってもテンプレートの隙間に充填する事ができればフォトニック結晶を作製できる。 高屈折率を示す金属の酸化物を鋳型内に析出させるには、次の2つの方法を試した。 ひとつは金属イオンを含む電解液から電極上に形成した鋳型に金属酸化物を電解析出させる方法である。実験は成功し,屈折率3を超える酸化銅が充填された逆オパール膜を形成し,良好な光バンドギャップの生成を確認した。この実験結果は,まだ最初のものであり,今後,実用的な高屈折率の逆オパール膜を作成して,発表および実用化を目指す。 もうひとつの方法は、金属アルコキシドなどを前駆体とするプロセスにより金属酸化物を得る方法を試した。しかしこのプロセスは非常に困難で,得られた膜は良好とは言えなかった。今後アプローチをかえて再度挑戦する予定である。 作製したフォトニック結晶の光禁制帯の構造を光学的に評価する予定であったが,一つ目の高屈折率オパールの光透過特性を調べた。その結果,消光比100に及び,波長幅100 nm程度に広がった非常にコントラストのある光学特性を見いだした。 一方、液晶とコロイド微粒子の階層的自己組織化による光機能についても検討した。この系では,直径5 nm程度の超微粒子となっているため自己組織化が難しい金ナノ粒子を液晶の配向を利用して自己組織化する。この実験の目的は誘起半導体液晶ホスト内に形成された伝導性ナノワイヤの精製を目指した。その結果,ホストからゲストの金ナノ粒子への電子移動が観測され,この系が,ミクロ電極として有望なものであることが示唆された。この結果は2012年度日本化学会で発表した。
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Research Products
(1 results)