2012 Fiscal Year Annual Research Report
核酸の生体内可視化を目指した19F核磁気共鳴プローブの開発
Project/Area Number |
23750185
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
坂本 隆 北陸先端科学技術大学院大学, マテリアルサイエンス研究科, 助教 (80423078)
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Keywords | 核酸イメージング / 19F NMR/MRI / 分子プローブ |
Research Abstract |
核酸類の生体内可視化が可能になれば、疾患マーカー核酸のイメージングによる診断、さらには細胞レベルでは不明であった核酸の新たな機能が明らかになる可能性がある。しかし現在、細胞内核酸イメージングに多用される蛍光プローブでは、生体の光透過性の低さから生体内可視化への適用は困難である。そこで本研究では、シグナル生体透過性が高く、生体バックグラウンドの低い19F 核磁気共鳴による核酸可視化プローブの創製を目指すこととした。既に標的DNA存在下でのみフッ素MRシグナルを示す、OFF/ON型のプローブの開発に成功しているが、検出感度の低さ(数μM)が問題であった。 平成23度は、検出感度の改善を目的に、「キラル制御された新規フッ素ラベル剤の開発」を試みた。新規ラベル剤((R) or (S)-3-アミノ-1,2-プロパンジオールを使用)でラベルしたプローブと従来型のプローブ(2-アミノ-1,3-プロパンジオール骨格を使用)のS/N比を比較した結果、それぞれ63(R体)、70(S体)、12(従来型)となり、約5.8倍 のS/N比の改善に成功した。 平成24年度は、上記の改良型核酸検出プローブの検出感度の定量的評価を行い、細胞内核酸検出への応用可能性を評価した。結果、従来型のプローブの最低検出濃度が2.5 μM程度であったのに対して、改良型プローブでは1 ~1.2 μMで、2倍以上の検出感度改善が見られた。しかしながら数十~数百nMしか存在しない細胞内RNAを検出するには更なる検出感度の改善が必要であることがわかった。そこで、新規フッ素ラベル剤を連続的に複数個ラベルした核酸検出プローブを合成したところ、2個連続して導入したプローブで、さらに2.4倍の検出感度向上が見られ(検出限界500 nM程度)、細胞内RNA検出に適用可能なプローブの開発に成功した。今後、細胞内RNA検出に挑戦する。
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Research Products
(2 results)