2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23750193
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
星野 友 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (40554689)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | プラスチック抗体 / モノクローナル / RAFT重合 / リビング重合 |
Research Abstract |
メリチンと結合する合成高分子ナノ粒子の設計法を検討し、負電荷を有するアクリル酸と疎水性を有するt-ブチルアクリルアミドを共重合したN-イソプロリルアクリルアミドナノ粒子がメリチンを静電的および疎水性相互作用により多点で吸着することを証明した。さらに、両モノマーの共重合比を変化させたナノ粒子ライブラリーを調整し、モノマーの含有量とメリチンの結合容量および結合定数の相関を明らかにした。さらにここで得られた情報をもとに、アクリル酸とt-ブチルアクリルアミドをN-イソプロリルアクリルアミドと共に共重合した分子量分散の小さい高分子の合成法を検討し、連鎖移動剤を用いた紫外線開始重合により分子量分散が比較的小さい共重合を得ることが出来ることがわかった。最適化した条件により様々な含量比でアクリル酸とt-ブチルアクリルアミドを含有した高分子のライブラリーを調整し、それぞれの高分子によるメリチンの結合容量を評価した結果、連鎖移動重合により合成した高分子は、同様のモノマー組成を有するナノ粒子よりも結合容量が大きくなることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、モノマー組成とメリチン結合容量、結合定数の関係を明らかにすることが出来た。また、必要であると明らかになったモノマー組成で分子量が小さい高分子のライブラリーを重合することに成功した。結合定数の算出にまで至らなかったが、新規に合成した高分子ライブラリ中の高分子がメリチンと相互作用することを証明し、メリチンの結合容量をすべて定量化することが出来たのでおおむね順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
当初、2年目に分子鋳型重合を試みる予定であったが、初年度の予備実験において今回採用した連鎖移動剤がメリチン上のアミンにより加水分解されてしまうことが明らかになったため、3年目に予定していた高分子のアフィニティー精製を分子鋳型重合を行う前に試みる。また、初年度に1000量体、300量体の高分子ライブラリーを合成したが、300量体高分子でも十分なメリチン結合性能を有することがわかったため、さらに分子量の小さい高分子ライブラリーも調整し、それらのメリチン結合容量も検討する。同時にメリチンにより重合が阻害されることがないTERP法によりライブラリーを重合する方法を検討し、3年目に鋳型重合を行うことが出来るように準備を行う。以上ように研究を加速するために研究員を雇う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初購入予定であったクロマトグラフィーシステムは、他の目的で購入したシステムにより代替可能であることがわかったので今回は購入を見合わせた。しかし、上記のように1年目に検討したRAFT法による重合では鋳型重合を行うことが難しいことがわかったので急遽TERP法を検討する必要が生じている。よってクロマトグラフィーシステムを購入する予定であった予算を二年目の人件費として使用し、TERP合成法の検討と、アフィニティー精製を同時に行うことを可能にすることで予想外に生じた問題を二年目の内に解決する。
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Research Products
(3 results)