2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23750193
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
星野 友 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40554689)
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Keywords | プラスチック抗体 / リビング重合 / メリチン / 多官能性高分子 / 分子認識 / ナノ粒子 / ペプチド / NIPAm |
Research Abstract |
リビング重合法によりポリNイソプロピルアクリルアミドを主原料とした分子量分散の狭い多官能性高分子のライブラリーを調製した。 始めに1000merと300merの多官能性高分子ライブラリーを構築し、メリチンを標的分子として、多官能性高分子との相互作用をスクリーニングしたところ、疎水性の強いN-tert-butylアクリルアミド(TBAm)と負電荷を有するアクリル酸の両方を有する高分子だけがメリチンと相互作用することが明らかになった。また、メリチンの相対的結合容量は、分子量に依らず機能性モノマーの共重合比に依存することが解った。次にメリチンと相互作用する事が確認された300merの多官能性高分子をメリチン固定化ビーズを用いてバッチ法によりアフィニテイー精製したところ、精製前は相互作用を確認できない条件でもメリチンと強く結合する高分子のみを単離できた。 続いて、30merと15merの高分子ライブラリーを調製し、メリチンとの相互作用を調べた。その結果、1000merや300merの結果と異なりモノマーの共重合比ではなく、導入数がメリチン結合挙動に大きな影響を与えることが明らかになった。また、分子量が小さくなるに従ってメリチンとの結合の強さが劇的に低下していくことが明らかになった。次にメリチン固定化樹脂を充填したカラムを作成し、アフィニテイークロマトグラフィーにより30merの高分子を精製したところ、精製前に比べて結合定数が10倍程度強い高分子を単離できることがわかった。 最後にアクリル酸オリゴマーを合成し、リサイクルGPCにより量体分離を行った。量体毎のメリチン毒性中和能を調べたところ3merや4merのアクリル酸はメリチンを全く中和しない一方で、5merのアクリル酸はメリチン毒性を完全に中和する事が明らかになった。以上より分子量が完全に単分散なメリチン結合性高分子の単離に成功した。
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Research Products
(13 results)