2011 Fiscal Year Research-status Report
リチウム電池用電極材料の二相共存反応における核発生と相境界移動メカニズムの解明
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23750249
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
大久保 將史 独立行政法人産業技術総合研究所, エネルギー技術研究部門, 研究員 (20453673)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | リチウムイオン2次電池 / 相転移 / 固体電気化学 |
Research Abstract |
本研究では、研究テーマとして「リチウム電池用電極材料の二相共存反応における核発生と相境界移動メカニズムの解明」を設定し、界面が核発生・成長メカニズムに与えるを明らかにすることにより、高速Li脱挿入を可能とする材料設計の指針を確立することを目指して研究活動を行った。平成23年度は、粒子サイズ・界面を制御したナノ電極材料の合成を行い、得られた電極材料の電気化学特性、界面電子状態の解析を行った。特に、プルシアンブルー類似体電極材料について合成の検討を行い、2相共存領域を示す電極材料を得ることに成功した。また、実用材料に近い充放電容量を持つナノ電極材料の合成にも成功した。一方、核発生、相成長のメカニズムを電気化学的に探るためにモデルの構築を行い、2相共存状態におけるリチウムイオン挿入は、Li-poor相へのイオン拡散とLi-rich相の核発生・成長に支配されるというモデルの下で、Fickの拡散方程式(イオン拡散)とScharifker-Hillsモデル(核発生・核成長)を複合した電気化学応答関数を求め、ポテンシャルステップを印加した際の電流応答を導出することに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
平成23年度においては、研究計画に従ってナノ電極材料の合成を行い、その電極特性の解析を行っただけでなく、翌年度に計画をしていた電気化学特性の電流応答解析まで進展することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成23年度において合成された電極材料について、2相共存下における核発生、核成長の過程を電気化学的手法により定量的に評価し、研究目標である2相共存材料における電極材料設計指針を確立し、新しい電極材料の開発に繋げる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成23年度において合成された電極材料について、精密な電気化学解析を行うために、インピーダンス付き電気化学解析装置を購入する。また、得られた研究成果の周知のために、国内学会における発表を行う。
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Research Products
(7 results)
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[Journal Article] Electron delocalization in cyanide-bridged coordination polymer electrodes for Li-ion batteries studied by soft x-ray absorption spectroscopy2011
Author(s)
D. Asakura, M. Okubo, Y. Mizuno, T. Kudo, H. S. Zhou, J.-L. Chen, W.-C. Wang, P.-A. Glans, J.-H. Guo, F.M.F. de Groot, I. Honma
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Journal Title
Physical Review B
Volume: 84
Pages: 45117
DOI
Peer Reviewed
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