2013 Fiscal Year Annual Research Report
微小噴流アクチュエータによるアクティブ燃焼制御機構に関する研究
Project/Area Number |
23760184
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
齋木 悠 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (60550499)
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Keywords | 燃焼 / 噴流 / 混合 / 能動制御 / レーザー計測 |
Research Abstract |
オンサイト発電用マイクロガスタービンで使用される小型燃焼器では,低レイノルズ数による混合不良と高い負荷変動に伴い,燃焼特性の悪化が懸念されている.一方,燃焼は,化学反応と熱・物質の移流・拡散が深く干渉する現象であるため,流動の積極的な制御を通じた燃焼特性の著しい改善が期待される.そこで本研究では,ガスタービン燃焼器で多用される噴流燃焼場を対象とし,微小アクチュエータ群を用いて,噴流中の渦運動およびそれに伴う燃料・空気の混合を動的に操作し,負荷状況に応じて燃焼特性の改善を行う新たな燃焼制御機構を構築することを目的とした. 昨年度までに,非燃焼のメタン・空気同軸噴流において,同軸ノズル出口内壁に配備した微小噴流アクチュエータにより,初期せん断層に直接的に撹乱を投じることで,渦構造およびメタン・空気の混合過程の制御を行った.粒子画像流速計により流れ場を定量的に評価した結果,微小噴流の周期的な吹き出しに完全に同期して渦輪および縦渦を放出できること,また吹き出しの周波数を変化させることで渦の強度を調整し,混合特性を柔軟に操作できること明らかにした. 最終年度は,混合制御実験の結果を踏まえ,メタン・空気同軸噴流火炎を対象とし,火炎上流の混合特性を操作することで,異なる負荷条件での燃焼特性の改善に取り組んだ.その結果,ガスタービンの全負荷時を想定した当量比が大きい条件では,強度の高い渦による均一混合を行い,一方,部分負荷運転時の当量比が過小な条件では,強度の低い渦を用いた局所混合により可燃混合気を形成することで,非制御時に対し,保炎限界を拡大すると伴に,一酸化炭素排出量を30%程度顕著に低減できることを明らかにした.さらに,メタンのみでなく難燃性のバイオマス由来のガス燃料においても燃焼特性を改善できることを示し,本手法がマイクロガスタービン燃焼器の性能向上に有効であることを実証した.
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Research Products
(4 results)