2011 Fiscal Year Research-status Report
デジタルミラーデバイスを用いた超高速・超高解像度化学イメージングシステムの開発
Project/Area Number |
23760361
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
ワグナー トーステン 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (70598474)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
|
Keywords | LAPS / 光アドレス電極 / 化学イメージング / 化学センサー |
Research Abstract |
【DMDデバイスを光源とした高解像度化学イメージング測定系の検証】本研究の主眼であるDMDデバイスを光源とした高解像度化学イメージング測定系において、空間分解能の精度向上と測定時間の短縮を目的とした測定条件の最適化を行った。現在、ピクセル数(測定点数)は、153,600点まで増加させることが可能となり、ピクセルサイズも43 um2まで高解像度化が可能になった。しかしながら、このように膨大な測定点で測定を行うには、非常に長い測定時間を必要としていた。実験開始当初は、すべての測定を行うには17時間を要したが、測定条件を最適化することによって、測定時間を5時間程度まで短縮することに成功した。【光電流収録回路と測定用ソフトウェアおよびハードウェアの検証による測定精度の向上】測定条件の最適化によって短縮されたとはいえ、5時間という測定時間は実用的とは言い難い。そこで、測定スピードの向上のみならず、利用者が解像度とスキャン領域を任意に設定することが出来る、新しい測定インターフェースとアルゴリズムを提案した。利用者は最初に低解像度での全領域のスキャンから開始し、関心領域を任意に設定した後に、その部分だけを高解像度で詳細に測定することが出来る。このアプローチにより、関心領域のスキャンまでが数分で終了するようになった。上述の成果に加えて、電極上の任意の点で光照射によって導電性を制御できる「光アドレス電極」の基礎実験と検証も行った。今後この電極を、本研究の基本技術であるLAPS(light - addressable potentiometric sensor)と組み合わせ、新しい測定を提案できると期待される。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究の進捗はほぼ当初の予定通りである。第2世代の測定系の開発に若干の遅れがあるものの、この系を用いた測定・解析・評価は遅延無く行われる予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
現在開発中の第2世代の測定系では、2011年度に開発した測定系の問題点のいくつかが解消される。特に、測定点数は786,432ピクセルに増加し、照射領域(≒空間分解能)も 10 um2 程度まで向上することが期待される。 また、化学イメージの取得に要する測定時間もさらに短縮されることを見込んでいる。今後開発する第2世代の測定系によって、本研究で使用しているLAPSの光アドレス測定と光アドレス電極を組み合わせた新しい測定手法を提案する予定である。研究代表者は、硯川らの提案する微少空間の濃度勾配形成手法に着目しており、共同実験を立案中である。測定点の化学種濃度を測定するだけでなく、光アドレス電極としてセンサ基板を利用することにより、濃度勾配を形成することも可能であると期待される。例として、微少流路デバイス中のバクテリア培養・細胞培養へ応用することを検討中である。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
第2世代の測定系に使用する機器の購入が若干遅延したために、平成24年度に繰り越しが発生した。しかしながら、機器の選定はすでに終了しており、スペック等の最終確認が終了次第、発注および納品される予定である。このDMDデバイスの購入と併せて、測定系の構築に必要な種々の電子回路部品を購入するために予算を計上した。また、国際学会で本研究の成果を発表するために成果発表旅費を計上した。
|
Research Products
(3 results)