2013 Fiscal Year Annual Research Report
異方性材料に対する新しい波動解析手法の開発と超音波非破壊評価への適用に関する研究
Project/Area Number |
23760418
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
斎藤 隆泰 群馬大学, 理工学研究科, 准教授 (00535114)
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Keywords | 音響異方性 / 境界要素法 / 波動 / 非破壊評価 |
Research Abstract |
平成25年度の研究目的,内容は,平成23,24年度に開発した異方性弾性波動解析のための演算子積分時間領域境界要素法を用いて,超音波非破壊評価を想定したシミュレーションを行い,実用的な数値解析に耐えうる性能を要しているか等を検討すること,および開発手法の高度化である.音響異方性を有する鋼材内部の欠陥に対して,上方に並べられた超音波素子から表面力を入射波として与えること,または無限遠からの円筒波を,鋼材内部の欠陥に向けて送信し,その反射散乱波を計算することを行った.その結果を考察すると,例えば円形空洞により散乱される波動のうち,空洞の表面を伝播し,受信点に戻ってくる微少な波動を精度良く再現する点については不十分であったものの,擬似P波やS波等の音響異方性特有の波動の到達時刻や,その振幅については波動論から考えられる理論通りの結果となっており,本研究課題で開発した方法が,概ね,妥当であることを確認できた.一方で,高い負荷がかかることとなる異方性弾性波動問題に対する実用的な意味での計算効率の削減については,これまでに開発した方法を,近年ハードウェアの機能向上により,盛んに利用されるようになったGPUを用いて並列化することに成功した.特殊関数の使用の制限により,その並列効果にはまだ課題が残るものの,現状では,最もボトルネックとなる影響関数の計算部分にGPU並列化を施すことにより,通常の計算に比べ20倍程度の高速化を実現することが可能となった.また,理論的な高速化に対しては,積分核に依存しない新しい高速多重極法を異方性弾性波動解析に適用するための準備を行い,2次元スカラー波動問題に対しては一定の成果を得た.これらについては,平成26年度以降,順次,口頭発表等を行い,成果を公表する予定である.
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Research Products
(10 results)