2013 Fiscal Year Annual Research Report
琉球石灰岩地盤のための高性能破壊力学シミュレータの開発~弾性から破壊まで~
Project/Area Number |
23760428
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
松原 仁 琉球大学, 工学部, 助教 (50414537)
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Keywords | 第4紀琉球石灰岩 / き裂ネットワークモデル / 有限要素法 / 地すべり |
Research Abstract |
前年度までに作製したシミュレータと実験結果を利用して,き裂性・多孔質性岩盤の破壊挙動が岩盤の多孔質度やき裂の初期分布に大きく依存することが分かった(論文投稿中)。また,地すべり現象を再現できるような新しいシミュレーション技術の開発にも成功し,2003年に沖縄県北中城村で発生した大規模地すべりに適用することができた(論文投稿中)。なお,これらの基礎となるデータは,本研究で蓄積した実験および解析データが適用されている。さらに,き裂性岩盤における地下水流れ現象に関して,き裂ネットワークモデルと有限要素法を併用した新たな手法を提案することができた。これは,岩盤中のみずみちの推定手段を与えるばかりでなく,岩盤内部で生じている微細なき裂発生機構の解明にも貢献することが可能となる。これらの成果は,土木学会論文集(地圏工学)をはじめとするいくつかの論文に掲載されている。 以上のことより,本年度において,琉球石灰岩の破壊現象の解明に資する,ひとつの道具(破壊パラメータ取得に関する基礎実験データ,シミュレーション手法,解析結果等)を提供することができたと考えている。
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