2012 Fiscal Year Annual Research Report
幹線街路の計画・設計・運用のための歩車QOS評価と道路空間の再構築に関する研究
Project/Area Number |
23760480
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
鈴木 弘司 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (30362320)
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Keywords | QOS評価 / 幹線街路 / 自転車 / ストレス / 自転車歩行者道 |
Research Abstract |
本研究では,名古屋市内の幹線街路の自転車歩行者道において走行調査を実施し,自転車利用者の視点から,共に空間を利用する歩行者,自動車との関係性を考慮したQOS(Quality of Service, QOS)評価構造を検討した.本年度は映像解析などによる交通状況との関係性の分析,歩道上,車道上の走行位置の違いによる自転車利用主体と他主体との関係性が評価へ与える影響を検討することに主眼を当て,QOSと道路・交通状況との関係性評価を試みた. まず,心拍データから得られるLP面積を用いて,幹線街路における自転車利用者のストレスを分析し,自転車利用者が受けるストレス要因を明らかにした.その結果,歩道走行時には交差点頻度や自動車の沿道利用頻度がストレス増加に影響すること,車道走行時には,路肩幅員が広いとストレスを減ずること,一方,車線数が多く,第1車線の自動車交通量が多いことはストレス増加に寄与することが示された.またストレスレベルを用いた客観指標とアンケートによる主観評価との対応関係を考慮して歩道,車道走行別の自転車利用者QOSを計量可能な枠組みを構築した.これらを用いて,対象道路の現況QOSを評価し,道路横断構成の変更に伴う影響について分析を行った.その結果,車道利用者に対しては,車道幅員を縮小し,路肩部を拡幅すること,また,往復6車線程度の主要幹線道路における歩道利用者には,歩道部に3.5m程度の自転車走行幅員を確保することでサービスレベルの改善が図られることがわかった. 研究期間全体を通して,走行位置,道路条件を加味した自転車利用者のQOS評価メカニズムの構築およびサービスレベルの改善方策の検証が行えたといえる.しかし,自動車,歩行者視点を加味したQOS評価構造の構築,道路の接続性やネットワークの評価までは至らなかった.これらについては今後の課題とする.
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Research Products
(2 results)