2012 Fiscal Year Research-status Report
咳による感染症リスクを低減させる建築・設備に関する研究
Project/Area Number |
23760556
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
堤 仁美 早稲田大学, 理工学術院, 講師 (00409690)
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Keywords | 咳 / 感染症 / リスク軽減 / 建築・設備 |
Research Abstract |
新型インフルエンザをはじめとした感染症の流行の際には、患者を診察する医療従事者への感染が大きな問題となる。医療従事者は、診察・治療のため患者付近の汚染濃度の高い領域に曝露される。特に患者の咳やくしゃみによるウイルスの飛散は医療従事者にとって大きな脅威である。また、このような場合には、診療体制にも支障が出ることが予想されており、安全性が確保された感染対策診療施設を必要数確保するためにも、感染への対策が急務となっている。本研究では、医療福祉施設における感染症リスクを低減する建築・設備を提案することを目的としている。 昨年度は模擬咳気流発生装置を用いて咳気流を発生させ、トレーサーガス濃度測定による感染リスク評価実験を実施した。 今年度は、主に、診察室や病室において感染対策のための環境制御を効果的に行うため、診療中の医療従事者や患者の動作範囲を測定し、感染リスクとなる汚染物質の発生場所と対策の必要な場所の測定を行った。医師、看護師の協力のもと、着衣にマーカーをつけて診療行為をし、その様子をビデオカメラで撮影した。患者役として被験者を用い、重症度の異なる症状(軽度:熱は無い。体調が良くないので心配、中度:微熱、重度:高熱)を想定し、順に演じさせた。医師・看護師は、通常行っている外来での診察と同様の診察・診療行為を行った。これらの録画画像を用いて3次元ビデオ動作解析を行った。患者を座らせて診察を行う場合と寝かせて診察する場合に分けて、診療行為中の医療従事者と患者の動作範囲を明確にした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね順調に進展している。研究成果は学会などで発表する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの実験、実測などで得られた結果より、医療福祉施設における感染症リスクの評価方法の提案などを行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度の研究費は、主に感染リスク評価のための測定費用、研究成果の発表などに使用する予定である。
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Research Products
(1 results)